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ヨーロッパ周遊のネット戦略|1枚のeSIMで何か国カバーできるか

🇪🇺 ヨーロッパ 基本情報

通貨
ユーロ(国により異なる)
言語
国により異なる
時差
UTC+0〜+3(日本より6-9時間遅い)
ビザ
不要(短期)
電圧
230V
プラグ
C/F(国により異なる)

結論:ヨーロッパ周遊のネット環境はEU周遊eSIMが最適解

筆者はヨーロッパ20カ国以上を渡航していますが、周遊旅行にはリージョンプランのeSIM1枚が圧倒的に便利です。Airaloのヨーロッパプランなら30カ国以上をカバーでき、対応国数とコスパの両面で優秀。国境を越えるたびにSIMを買い直すあの面倒な時代は、もう終わりました。

以下、EU域内ローミングの仕組み、主要eSIMサービスの対応国比較、周遊ルート別の通信事情を解説します。

ヨーロッパ周遊の通信問題——国をまたぐたびにSIMを買い直す時代は終わった

パリからローマへ、ローマからバルセロナへ。ヨーロッパ旅行の醍醐味は、文化も言語もまったく異なる国々を一度の旅で巡れることです。

ただ、通信環境の確保は長らく頭の痛い問題でした。筆者が最初にヨーロッパを周遊したときは、国境を越えるたびにSIMカードを差し替えたり、空港のカウンターで現地SIMを買い直したりしていました。3か国を回るなら3枚のSIM、4か国なら4枚。SIMのピンを無くしかけてカフェのテーブルで焦る、なんてことも一度や二度ではありません。旅行の楽しさとは無縁の作業です。

2026年現在、この問題はほぼ解消されています。理由は2つ。1つはEU域内のローミング規制(Roam Like at Home)、もう1つはeSIMのリージョンプランの普及です。

ヨーロッパ周遊旅行のネット環境を「1枚のeSIMでどこまでカバーできるか」という視点で整理しました。

EU域内ローミング規制(Roam Like at Home)とは

2017年6月、EUは域内のモバイルローミング追加料金を撤廃しました。「Roam Like at Home」と呼ばれるこの規制により、EU加盟国で契約したSIMカードは、他のEU加盟国でも追加料金なしで使えるようになっています。

対象は以下の国々です。

つまり、フランスのキャリアで契約したSIMがあれば、イタリアでもスペインでもギリシャでも同じ料金でデータ通信を使えます。これはeSIMにも同様に適用されます。

ただし、注意が必要な国が2つあります。

イギリスは2020年のBrexit以降、EU域外の扱いになりました。EU向けプランでイギリスが対象に含まれるかどうかはサービスごとに異なります。詳しくはイギリスのeSIMガイドをご覧ください。

スイスもEU/EEA非加盟国です。スイスを経由するルート(パリ→スイス→イタリアなど)を検討している場合は、プランの対象国にスイスが含まれているか事前に確認してください。スイスの通信事情についてはスイスのeSIMガイドで詳しく解説しています。筆者もスイス経由の移動で一度確認を怠って、列車がスイス国内に入った瞬間に「この回線は対象外です」の通知が来てヒヤッとしたことがあります。

eSIMのリージョンプランという解決策

ヨーロッパ周遊旅行でもっとも合理的な通信手段は、eSIMのリージョンプラン(地域プラン)です。1枚のeSIMで複数国をカバーするプランで、国ごとにSIMを買い替える必要がありません。

主要なeSIMサービスのヨーロッパ向けプランを比較します。

サービスカバー国数代表的なプランテザリング日本語対応
Airalo39か国5GB/30日 約2,700円、10GB/30日 約4,500円アプリは英語
Holafly30か国以上無制限/15日 約6,800円不可日本語サイトあり
trifa30か国以上3GB/30日 約2,200円日本語完全対応
Glocal eSIM120か国以上2,780円〜(3日間・無制限)日本語完全対応

この表を見ると、カバー国数ではAiraloが39か国と頭一つ抜けています。イギリスやスイス、トルコなどEU非加盟国も含まれているので、周遊ルートの自由度が高いです。テザリングも可能なので、PCやタブレットを併用する旅行者にも対応できます。

Holaflyはデータ無制限が最大の強みです。2〜3週間の長期周遊でデータ量を気にしたくない方に向いています。ただしテザリングが使えない制約があるため、スマホ以外の端末を接続したい場合は不向きです。

trifaは日本語完全対応で、eSIMが初めての方でも安心して使えます。サポートも日本語で受けられるので、設定に不安がある方には心強い選択肢です。

ヨーロッパ周遊に最適なeSIMの実測テスト結果はヨーロッパ向けeSIM比較記事にまとめています。各サービスの詳細な比較はeSIM比較記事も参考にしてください。

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リージョンプラン vs 国別プラン——費用対効果の比較

ヨーロッパ旅行では「リージョンプラン1枚」と「国別プランを国ごとに購入」のどちらが得かという疑問が出てきます。2か国以上を回るならリージョンプランのほうが費用対効果に優れています。

Airaloを例に、2週間で3か国を周遊するケースで比較します。

方式内訳合計費用の目安
リージョンプラン(Europe 10GB/30日)1枚で全行程カバー約4,500円
国別プラン(フランス3GB + イタリア3GB + スペイン3GB)各国で購入・切替約4,800〜5,400円

数字で見ると一目瞭然です。リージョンプランのほうが安いうえに、国境を越えるたびにeSIMを切り替える手間がありません。TGVでパリからミラノに向かう途中、スイスを通過する区間でも通信が途切れない(Airaloの場合はスイスもカバー)というメリットもあります。

国別プランが有利になるのは、1か国だけに滞在する場合です。イタリアだけの旅行なら、イタリア単体のeSIMプランのほうが安くなります。イタリアの通信事情はイタリア旅行ガイドで詳しく解説しています。

主要周遊ルートと通信環境

ヨーロッパの人気周遊ルートごとに、通信環境のポイントを整理します。

パリ → ローマ → バルセロナ(王道ルート)

ヨーロッパ初訪問の方に人気の王道ルートです。

パリ市内の通信環境は非常に良好です。フランスの通信事情はフランスのeSIMガイドで詳しく解説しています。筆者の経験では、シャンゼリゼ通りやマレ地区を歩きながらGoogleマップを常時表示していても、通信が途切れることはほとんどありませんでした。メトロの地下区間でも4G接続が維持される駅が増えています。ただし、メトロの一部の古い路線ではトンネル内で電波が弱くなることがあります。

ローマはイタリアの4G/5Gカバレッジが充実しており、コロッセオ、バチカン市国周辺、トラステヴェレ地区など主要観光エリアでの通信は安定しています。ただし、バチカン美術館の内部のように建物の奥深くに入ると電波が届きにくい場合があります。

バルセロナもスペイン全土の4G普及率が95%を超えており、サグラダ・ファミリアやグエル公園の周辺でも問題なく通信できます。ビーチエリアのバルセロネータでも電波は安定しています。

このルートではリージョンプラン1枚で3か国をシームレスにカバーできます。各国の詳しい通信事情はスペインのeSIMガイドもあわせてご覧ください。

ロンドン → パリ → アムステルダム(北西ヨーロッパ)

Eurostarを使ってロンドンからパリ、さらにタリスでアムステルダムへ向かうルートです。

ロンドンの通信環境は整備されており、Tube(地下鉄)の駅構内でもWiFiが利用可能です。イギリスの通信事情はイギリスのeSIMガイドで詳しく解説しています。ただし、イギリスはBrexit後EU域外の扱いになっているため、eSIMのリージョンプランにイギリスが含まれているか事前確認が必須です。AiraloのEuropeプランはイギリスを含みますが、他のサービスでは対象外の場合があります。

アムステルダムはオランダのモバイルインフラが欧州でもトップクラスに整備されており、市内中心部はもちろん、運河沿いや美術館周辺でも快適に通信できます。

ローマ → フィレンツェ → ベネチア → ミラノ(イタリア縦断)

イタリア1か国に絞る場合は、リージョンプランよりイタリア単体のeSIMプランのほうが費用対効果が高くなります。

Trenitalia(イタリア国鉄)のFrecciarossa(高速列車)でローマからミラノまで約3時間。車内WiFiは提供されていますが、速度にムラがあり、トンネル区間では接続が途切れることが報告されています。eSIMのモバイルデータ通信のほうが安定します。

フィレンツェの歴史地区やベネチアの島内でも4G通信は概ね安定しています。ただしベネチアは狭い路地が入り組んでおり、建物の間でGPS精度が落ちることがあります。Googleマップに頼りすぎず、事前にオフラインマップをダウンロードしておくと安心です。

バルセロナ → マドリード → リスボン(イベリア半島)

スペインからポルトガルへ向かうルートです。バルセロナ-マドリード間はRenfeのAVE(高速鉄道)で約2時間30分、マドリード-リスボン間は夜行列車または飛行機での移動になります。

スペインとポルトガルはどちらもEU加盟国なので、リージョンプランで問題なくカバーできます。リスボンの通信環境は良好で、ベレン地区やアルファマ地区など観光エリアでの4G接続は安定しています。

ポルトガルの物価はスペインより低めですが、通信インフラの品質には大きな差はありません。

ギリシャ → クロアチア(ハネムーンルート)

サントリーニ島やドゥブロヴニクを巡るハネムーン定番ルートです。

サントリーニ島のイアやフィラの街中では4G通信が利用可能ですが、島の辺縁部やビーチエリアでは電波が弱くなることがあります。ハネムーンでは写真や動画の撮影量が多くなるため、データ容量は多めのプランを選ぶことをおすすめします。

クロアチアのドゥブロヴニクは旧市街の城壁内でも4G通信が可能です。クロアチアは2023年にシェンゲン協定に加入しており、EU域内のリージョンプランでカバーされます。筆者もドゥブロヴニクの城壁を歩いたことがありますが、あのアドリア海の絶景を前にしてSNSに投稿したくなる気持ちは抑えられませんでした。通信はバッチリでした。クロアチアの通信事情はクロアチアのeSIMガイドで詳しく解説しています。

なお、クロアチア周辺のスロベニアボスニア・ヘルツェゴビナモンテネグロもあわせて周遊する方が増えています。ボスニアとモンテネグロはEU非加盟国のため、eSIMプランの対象国に含まれているか事前確認が必要です。

アテネからサントリーニへはフェリーまたは国内線、サントリーニからドゥブロヴニクへはアテネ経由の飛行機が一般的です。フェリーの航行中は海上のため電波が不安定になります。長時間のフェリー移動がある場合は、事前にオフラインで楽しめるコンテンツを用意しておくと良いでしょう。

ヘルシンキ → ストックホルム → コペンハーゲン(北欧ルート)

北欧周遊も近年人気が高まっています。フィンランドのヘルシンキからスウェーデンのストックホルムへはフェリーで約16時間(夜行便)、ストックホルムからデンマークのコペンハーゲンへは飛行機で約1時間15分です。

北欧諸国はモバイルインフラが非常に整備されており、都市部での通信はまったく問題ありません。フィンランドとスウェーデンはEU加盟国、ノルウェーはEEA加盟国なので、いずれもリージョンプランでカバーされます。北欧周遊にアイスランドを加える場合も、EEA加盟国のためほとんどのリージョンプランで対応しています。

プラハ → ウィーン → ブダペスト(中欧ルート)

チェコのプラハ、オーストリアのウィーン、ハンガリーのブダペストを鉄道で巡る中欧ルートです。3都市ともEU加盟国のため、リージョンプラン1枚で問題なくカバーできます。

プラハ-ウィーン間は鉄道で約4時間、ウィーン-ブダペスト間は約2時間40分。いずれも車窓の景色が美しく、移動中もeSIMでの通信は概ね安定しています。このルートにポーランドのクラクフやスロベニアのリュブリャナを加えるのも人気です。

リュブリャナ → ザグレブ → ドゥブロヴニク → コトル(バルカンルート)

スロベニアからクロアチアを南下し、モンテネグロのコトルまで足を延ばすバルカン周遊ルートです。筆者もこのルートを旅しましたが、アドリア海沿いの絶景は息をのむ美しさでした。

注意点として、モンテネグロはEU非加盟国です。ボスニア・ヘルツェゴビナも同様にEU非加盟のため、これらの国を経由する場合はeSIMプランの対象国に含まれているか確認してください。AiraloのEuropeプランはモンテネグロ、ボスニアともにカバーしています。

タリン → リガ → ヴィリニュス(バルト三国ルート)

エストニアのタリンからラトビアのリガ、リトアニアのヴィリニュスを巡るバルト三国ルートです。3か国ともEU加盟国で、リージョンプランでカバーされます。タリンはデジタル先進国エストニアの首都だけあり、市内のモバイル通信環境は非常に良好です。

移動中の通信——鉄道・LCC・長距離バス

ヨーロッパ旅行では都市間の移動時間が長くなります。移動中の通信手段を整理します。

鉄道

列車ルート例所要時間車内WiFieSIMでの通信
Eurostarロンドン→パリ約2時間20分あり(不安定)英仏海峡トンネル内は圏外
TGVパリ→リヨン約2時間あり(不安定)概ね安定、トンネル区間で弱くなることあり
Trenitalia Frecciarossaローマ→ミラノ約3時間あり(不安定)概ね安定
Renfe AVEバルセロナ→マドリード約2時間30分あり概ね安定
Thalys/Eurostarパリ→アムステルダム約3時間20分あり(不安定)概ね安定

この表を見て気づいた方もいると思いますが、車内WiFiの欄に「不安定」が並んでいます。筆者もヨーロッパの鉄道WiFiには何度も裏切られてきました。特にEurostarの英仏海峡トンネル区間(約30分)ではeSIMもWiFiも完全に使えなくなります。長距離移動の際は、事前にオフラインマップやエンターテインメントをダウンロードしておくのが賢明です。

eSIMのモバイルデータ通信は、トンネル区間を除けば鉄道WiFiより安定していることが多いです。鉄道WiFiは無料のものでも速度制限がかかっていたり、接続人数の上限に達していたりするケースがあります。

LCC(格安航空)

Ryanair、easyJet、Vueling、Wizz Airなど、ヨーロッパのLCCは都市間移動の有力な選択肢です。飛行中は当然ながらeSIMもWiFiも使えません(一部の航空会社では有料WiFiを提供)。

注意すべきは、LCCが就航する空港がメインの国際空港から離れている場合があることです。パリのボーヴェ空港やロンドンのスタンステッド空港は市街地から遠く、空港から市内への移動手段を事前に調べておく必要があります。eSIMがあれば到着後すぐにGoogleマップで経路を確認できます。

長距離バス(FlixBus等)

FlixBusなどの長距離バスは鉄道より安価で、ヨーロッパ全域をカバーしています。車内WiFiは提供されているものの、速度は期待できません。eSIMのモバイルデータ通信のほうが快適です。

ヨーロッパの鉄道・バス・LCCのチケットはOmio →で一括比較・予約できます。日本語対応で、eチケットが発行されるので現地で印刷の手間もありません。

ハネムーン周遊のネット環境

ハネムーンでヨーロッパを周遊する場合、通信環境は通常の観光旅行より重要度が高くなります。理由は写真と動画のデータ量です。

サントリーニ島の夕日、アマルフィ海岸の絶景、パリのエッフェル塔——これらのスポットで撮影した写真や動画をSNSにアップロードしたり、クラウドにバックアップしたりするには、まとまったデータ容量が必要です。

ハネムーン人気スポットの通信事情

スポット通信環境注意点
サントリーニ島(ギリシャ)イア・フィラの中心部は4G安定島の辺縁部やビーチでは弱くなることがある
アマルフィ海岸(イタリア)主要な町は4G接続可能断崖沿いの道路移動中は電波が不安定
パリ(フランス)市内全域で4G/5G安定メトロの一部区間でトンネル内の電波が弱い
ドゥブロヴニク(クロアチア)旧市街内も4G接続可能城壁の上からの撮影でも通信は安定
プラハ(チェコ市内中心部は4G安定地下のビアホールでは電波が届きにくい場合あり

筆者がパリを訪れた際は、エッフェル塔周辺やモンマルトルの丘でも4G通信が安定しており、撮影した写真をその場でSNSに投稿できました。セーヌ川沿いを歩きながらのGoogleマップ利用も問題ありませんでした。

データ使用量の目安(ハネムーン向け)

ハネムーンでは写真・動画の撮影量が通常の旅行より多くなります。

用途1日あたりの目安
Googleマップ(常時利用)100〜200MB
SNS投稿(写真10枚+短い動画2-3本)300〜500MB
メッセージ(LINE、WhatsApp)50〜100MB
クラウドバックアップ(写真・動画の自動同期)500MB〜1GB以上
Web検索・レストラン予約100〜200MB

合計すると1日あたり1〜2GBは見ておく必要があります。2週間の旅行なら合計14〜28GB。無制限プランを選ぶか、10GB以上のプランにして宿泊先のWiFiをバックアップ用に活用するのが現実的です。

クラウドバックアップ(Googleフォト、iCloud)はデータ消費が大きいので、自動同期はWiFi接続時のみに設定しておくとデータ節約になります。

ヨーロッパのフリーWiFi事情

ヨーロッパの主要都市ではフリーWiFiが比較的充実しています。ただし、国や都市によって整備状況に差があります。

場所WiFi環境速度の目安
主要空港(シャルル・ド・ゴール、フィウミチーノ等)無料WiFiあり(時間制限あり)10〜30Mbps
大手カフェチェーン(Starbucks等)無料WiFiあり10〜30Mbps
ホテルほぼ全てWiFiありホテルのグレードによる
公共交通機関都市による(ロンドンTubeはあり、パリメトロは限定的)5〜20Mbps
レストラン・カフェ観光地のカフェはWiFiありが多い5〜20Mbps

筆者がパリに滞在した際、カフェのWiFiは概ね使えるものの、接続に電話番号の入力を求められるケースが多く、日本の電話番号では認証が通らないこともありました。「え、電話番号入れろって言われても…」と戸惑った経験が何度かあります。こうした場面でeSIMがあると、WiFiに頼らず自分の回線でデータ通信ができるので安心です。

フリーWiFiをメインの通信手段にするのは、ヨーロッパ周遊ではおすすめしません。移動が多く、WiFiスポットの間で通信手段がなくなると、次の目的地への移動にも支障が出ます。eSIMをメインにして、ホテルやカフェのWiFiはデータ節約用に使うのが合理的です。

フリーWiFiのセキュリティリスクについてはフリーWiFiの安全な使い方で詳しく解説しています。

VPN事情——EU圏内では必須ではないが、あると便利

中国のようなインターネット規制はEU圏内にはありません。Google、LINE、Instagram、YouTube、X(旧Twitter)——すべて普通に使えます。VPNが必須という場面はないので安心してください。

ただし、以下のケースではVPNが役立ちます。

日本の動画サービスを視聴したい場合

TVer、ABEMA、日本版Netflixの限定コンテンツ、U-NEXTなど、日本国内限定の動画サービスはヨーロッパからはアクセスできません。VPNで日本のサーバーを経由すれば視聴できるようになります。長期の周遊旅行だと、ホテルでの夜の時間に日本の番組が恋しくなるんですよね。筆者は2週間以上の旅程では必ずVPNを入れるようにしています。

フリーWiFi利用時のセキュリティ対策

空港やカフェのフリーWiFiを使う場面では、VPNでの通信暗号化が有効です。特にクレジットカード情報の入力やネットバンキングを行う際は、VPNを通しておくと安心です。

公共ネットワークでのプライバシー保護

ホテルのWiFiも厳密には共有ネットワークです。セキュリティに不安がある場合はVPNを常時ONにしておくのも選択肢です。

VPNサービスの選び方や各社の比較はVPN比較記事を参考にしてください。

コンセント・変換プラグ事情

通信環境の話から少し外れますが、スマホの充電に直結するので触れておきます。

ヨーロッパの電源事情は国によって異なります。

国・地域プラグタイプ電圧
フランス、ドイツ、スペイン、オランダC / F230V
イタリアC / F / L(イタリア独自)230V
イギリスG(BFタイプ、3ピン)230V
スイスJ(スイス独自)230V
ギリシャC / F230V

周遊旅行ではユニバーサル変換アダプターを1つ持っていくのが確実です。特にイギリスを含むルートでは、大陸ヨーロッパとはプラグ形状がまったく異なるため、変換アダプターなしではスマホの充電ができません。筆者はイギリスからフランスに移動した際、イギリスのBFプラグ用アダプターしか持っておらず、パリのホテルで充電できなくて慌てて近くの雑貨屋に走った記憶があります。ユニバーサルタイプを1つ持っておけば、こんな失敗は防げます。

スマホの充電器は100-240V対応のものがほとんどなので、変圧器は不要です。変換アダプターさえあれば問題ありません。

出発前チェックリスト

ヨーロッパ周遊旅行の出発前に確認しておくべきことをまとめます。ポイントは「1枚のeSIMで旅行全体をカバーする」ことです。

  1. スマホがeSIM対応か確認する(iPhone XS以降、2022年以降のAndroid端末の多くが対応)
  2. eSIMサービスでヨーロッパ向けリージョンプランを購入する(出発の前日までに)
  3. QRコードを読み取り、eSIMプロファイルをインストールする(自宅のWiFi環境で実施)
  4. この時点ではeSIMのデータ通信をOFFにしておく
  5. 旅行日数と利用パターンに合ったデータ容量を選ぶ(2週間で3か国以上なら10GB以上または無制限を推奨)
  6. ルートに含まれる国がプランの対象国に入っているか確認する(特にイギリス、スイス)
  7. VPNアプリをインストールしておく(日本の動画サービス利用やフリーWiFiのセキュリティ対策用)
  8. Googleマップで訪問する都市のオフラインマップをダウンロードしておく
  9. ユニバーサル変換アダプターを準備する
  10. クラウドバックアップの自動同期をWiFiのみに設定する(データ節約のため)

eSIMの設定手順に不安がある方はeSIM初期設定ガイドを確認してください。設定でトラブルが起きた場合はeSIMトラブルシューティングも参考になります。

データ容量の選び方についてはデータ通信量の目安ガイドで用途別の消費量を解説しています。

渡航準備のチェックポイント

シェンゲン協定加盟国への渡航では、ETIAS(欧州渡航情報認証制度)の事前申請が導入される予定です。周遊旅行を計画している方は、渡航先すべてが対象かどうかも含めて確認しておいてください。ETIAS申請ガイドで最新の情報と申請手順を詳しくまとめています。

パスポートの残存有効期間は、シェンゲン協定圏を出国する日から3ヶ月以上が必要です。周遊の場合は最終出国日を基準にするため、余裕を持って確認しましょう。パスポートの残存有効期間ガイドで各国の要件を一覧にしています。

ヨーロッパ周遊は移動が多く期間も長くなりがちです。海外旅行保険の補償期間が旅程全体をカバーしているか確認しておいてください。海外旅行保険のおすすめと選び方で長期旅行向けプランも紹介しています。

帰国後にやること

ヨーロッパから帰国したら、スマホの設定を日本仕様に戻します。

  1. モバイルデータ通信の回線を日本のキャリア(docomo、au、SoftBank等)に切り替える
  2. ヨーロッパ用eSIMのデータ通信をOFFにする(または削除する)
  3. 機内モードをON→OFFにして日本の回線を掴み直す

eSIMのプロファイルは削除せずに残しておくこともできます。次回のヨーロッパ旅行で同じサービスを使う場合、プロファイルの再利用やデータチャージが可能な場合があります(サービスにより異なります)。

帰国後の詳しい手順は帰国後の設定ガイドにまとめています。

ヨーロッパ周遊向けリージョンプランの料金・データ容量・対応国数を一覧で比較しています。自分の旅程に合ったeSIMを見つけてください。eSIM主要サービスの比較はこちら

国別ガイド一覧

ヨーロッパ各国の通信事情、おすすめeSIM、現地での設定方法を国別にまとめています。旅行先が決まっている方は、該当する国のガイドもあわせてご覧ください。

西ヨーロッパ

北欧

中欧・東欧

バルカン・南東ヨーロッパ

まとめ:ヨーロッパ周遊はリージョンプランeSIMが最適解

ヨーロッパ周遊旅行のネット環境について、旅行パターン別のおすすめをまとめます。

旅行パターンおすすめプラン理由
2〜3か国周遊(1〜2週間)リージョンプラン 10GB費用対効果が高く、国をまたいでも切替不要
4か国以上の長期周遊(2〜3週間)リージョンプラン 無制限データ量を気にせず使える安心感
ハネムーン(写真・動画多め)リージョンプラン 無制限SNS投稿やクラウドバックアップに大容量が必要
1か国のみ滞在国別プランリージョンプランより安くなることが多い
イギリスを含むルートAiralo Europeプラン(39か国)イギリスがカバーされているか確認が必須

各国の通信事情やeSIMの設定方法については、下の「国別ガイド一覧」から個別のガイドをご覧いただけます。

かつてはヨーロッパ周遊のネット環境は「悩みの種」でした。国ごとにSIMを買い替え、言語の通じないカウンターで手続きし、残データを確認しながら使う。筆者もその時代を経験しているからこそ、今のeSIMリージョンプランの便利さには本当に感動しています。

出発前に自宅でeSIMを設定しておけば、パリの空港に降り立った瞬間から、ローマのコロッセオの前で写真を送る瞬間まで、同じeSIM1枚でシームレスに通信できます。国境を越えるたびにSIMを差し替える時代は、もう終わりました。

eSIMサービスの選び方に迷ったら、まずeSIM比較記事で各社のプランを確認してみてください。旅行中の支払い手段については海外旅行向けクレジットカード比較もあわせてチェックしておくと、出発準備がスムーズに進みます。

よくある質問

ヨーロッパ周遊にeSIMは1枚で足りる?
はい。AiraloやHolaflyのヨーロッパ向けリージョンプランを使えば、1枚のeSIMで30〜39か国をカバーできます。国境を越えるたびにSIMを買い直す必要はありません。
イギリスやスイスもヨーロッパ用eSIMでカバーされる?
サービスによります。イギリスはBrexit後EUを離脱していますが、AiraloのEuropeプランには含まれています。スイスもEU/EEA非加盟ですが、多くのリージョンプランでカバーされています。購入前に対象国リストを必ず確認してください。
ヨーロッパ2週間の旅行で何GBあれば足りる?
地図・SNS・メッセージ中心なら10GB前後が目安です。写真や動画を頻繁にアップロードする方、ハネムーンで撮影データが多い方は無制限プランを検討してください。
ヨーロッパの鉄道内でeSIMは使える?
はい。Eurostar、TGV、Trenitalia、Renfeなどの車内でeSIMのモバイルデータ通信が使えます。鉄道のWiFiは速度が不安定なことが多いため、eSIMのほうが安定した通信手段になります。
ヨーロッパ周遊でVPNは必要?
EU圏内にはインターネット規制がないため、VPNは必須ではありません。ただし、日本の動画サービス(TVer、ABEMA等)を視聴したい場合や、空港・ホテルのフリーWiFi利用時のセキュリティ対策にはVPNがあると便利です。

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