モンテネグロ旅行のネット環境ガイド|eSIM・WiFi・通信事情を徹底解説
🇲🇪 モンテネグロ 基本情報
- 通貨
- ユーロ (EUR)
- 言語
- モンテネグロ語, セルビア語
- 時差
- UTC+1(夏時間UTC+2)
- ビザ
- 不要(短期)
- 電圧
- 230V
- プラグ
- C, F
結論:モンテネグロはeSIMで快適。ただし「ユーロが使えるのにEU圏ではない」罠に注意
モンテネグロは旅行者を混乱させる国です。通貨はユーロ、街並みはヨーロッパそのもの、クロアチアからバスで2時間。なのにEU非加盟です。この事実を知らずにクロアチアからモンテネグロに入国し、EU圏のSIMやeSIMをそのまま使い続けると、ローミング料金で痛い目に遭います。
筆者はクロアチアのドゥブロヴニクからバスでモンテネグロのコトルに入りました。国境を越えた直後にeSIMの回線をモンテネグロ対応プランに切り替え、コトル旧市街に到着した時点ですでに4G通信が使える状態でした。事前にeSIMを設定しておいたおかげで、切り替えは数秒で完了しました。
モンテネグロの沿岸部(コトル、ブドヴァ、ヘルツェグ・ノヴィ等)は通信環境が良好です。一方、内陸部のドゥルミトル国立公園など山岳地帯に入ると、電波が不安定になるエリアがあります。沿岸部と内陸部で通信事情がかなり異なる国です。
この記事で伝えたいこと
モンテネグロは面積が日本の福島県ほどしかない小さな国ですが、その中に驚くほど多様な景色が詰まっています。アドリア海の碧い海、中世の城塞都市コトル、フィヨルドのようなコトル湾、そして内陸のドゥルミトル国立公園には深さ世界第2位のタラ渓谷があります。
筆者がモンテネグロを訪れたのはバルカン半島周遊の途中で、クロアチア→モンテネグロ→ボスニアという順番で移動しました。この3カ国はいずれもEUローミングの対象外(クロアチアは2013年にEU加盟済みなので対象)という複雑な状況で、国境を越えるたびにeSIMの回線を切り替える必要がありました。
通信環境は沿岸部の観光地であれば快適です。4Gが安定しており、カフェのWiFiも充実しています。問題は内陸の山岳地帯で、ドゥルミトル国立公園のトレッキングルートでは圏外になる区間があります。ただし、タジキスタンのパミール高原のような「数日間圏外」という極端な状況にはなりません。町に戻れば通信が回復します。
この記事では、コトル、ブドヴァ、ドゥルミトル国立公園、沿岸ドライブなど、モンテネグロの主要エリアごとの通信事情をまとめた。
モンテネグロの携帯キャリア事情
モンテネグロには主要キャリアが3つあります。
| キャリア | 特徴 | カバレッジ | 旅行者向け |
|---|---|---|---|
| Crnogorski Telekom | モンテネグロ最大手。Deutsche Telekom系列 | 最も広い | おすすめ |
| m:tel Montenegro | セルビア系。内陸部にも強い | 広い | おすすめ |
| One(旧Telenor) | ノルウェー系。沿岸部が中心 | 標準的 | 可 |
旅行者にはCrnogorski Telekomが最も安心です。沿岸部から内陸部まで最も広いカバレッジを持っています。筆者のeSIMはCrnogorski Telekomの回線に接続され、コトル旧市街やブドヴァのビーチでは4Gが安定していました。
m:tel Montenegroもカバレッジが広く、ドゥルミトル方面に行く場合は選択肢に入ります。Oneは沿岸部の観光地では問題ありませんが、内陸部のカバレッジでは上位2社にやや劣ります。
EU非加盟の落とし穴 — ユーロが使えてもEUではない
モンテネグロ旅行で最も注意すべき点です。モンテネグロは通貨としてユーロを使用していますが、これはEUに加盟しているからではありません。2002年に一方的にユーロを採用した経緯があり、EU非加盟のままユーロを使い続けています。
この「ユーロが使えるのにEUではない」という状況が、通信面で以下の問題を引き起こします。
- クロアチア(EU加盟国)で購入したSIM/eSIMのEUローミングが適用されない
- ヨーロッパ周遊eSIMで「EU圏のみ」のプランはモンテネグロが含まれていない可能性がある
- 通貨がユーロなのでEU圏だと勘違いしやすい
筆者はクロアチアからモンテネグロに入国する際、事前にモンテネグロ対応のeSIMを設定しておいたので問題ありませんでした。しかし、同じバスに乗っていたイタリア人旅行者が「ユーロが使えるからEUだと思っていた」と言って、ローミング料金の通知に驚いていました。このミスは本当によくあるようです。
eSIMを購入する際は、対応国リストに「Montenegro」が含まれているかを必ず確認してください。
eSIM vs 現地SIM vs WiFi — モンテネグロでの比較
| 項目 | eSIM | 現地SIM(Crnogorski Telekom) | フリーWiFiのみ |
|---|---|---|---|
| 事前準備 | 日本で購入・設定可能 | 不要(現地で購入) | 不要 |
| 到着直後の通信 | 即座に使える | 空港で購入可能 | 空港WiFi |
| 料金(7日/3GB目安) | 約800〜1,500円 | 約5〜10ユーロ | 無料 |
| 山岳地帯での利用 | キャリア依存(圏外あり) | 同左 | 不可 |
| 購入手続き | 不要 | パスポート提示 | 不要 |
モンテネグロの旅行は大半が沿岸部の観光なので、eSIMだけで十分快適に過ごせます。滞在が1週間を超える場合や、内陸部を集中的に回る場合は現地SIMの併用も検討してください。
eSIMサービスの比較
| サービス | 対応状況 | 7日/3GBの目安料金 | テザリング | 日本語対応 |
|---|---|---|---|---|
| Airalo | 対応 | 約1,200円 | 可 | 英語のみ |
| trifa | 対応状況は公式サイトで確認してください | — | — | 日本語完全対応 |
| Holafly | 対応状況は公式サイトで確認してください | — | — | 日本語サイトあり |
| Glocal eSIM | 対応状況は公式サイトで確認してください | — | — | 日本語完全対応 |
各サービスの詳しい比較はeSIM比較記事にまとめています。
ポドゴリツァ空港 — 到着直後の通信
モンテネグロにはポドゴリツァ空港とティヴァト空港の2つの国際空港があります。ポドゴリツァは首都の空港で、ティヴァトは沿岸部のリゾートに近い空港です。
筆者は陸路でモンテネグロに入国したため空港の直接体験はありませんが、ポドゴリツァ空港にはCrnogorski Telekomのカウンターがあり、プリペイドSIMの購入が可能です。空港のフリーWiFiも利用可能とされています。
いずれにしても、eSIMを事前に設定しておけば空港でのSIM購入やWiFi接続に時間を使う必要がありません。飛行機が着陸してeSIMをONにすれば、ターミナルを出る前に通信が開始されます。
コトル旧市街 — 城壁に囲まれた中世の街
コトルはモンテネグロ旅行の最大のハイライトです。フィヨルドのように入り組んだコトル湾の最奥に位置する中世の城塞都市で、ユネスコ世界遺産に登録されています。石造りの旧市街は迷路のように入り組んでおり、歩いているだけでタイムスリップしたような感覚になります。
通信環境は旧市街の中でも良好でした。BH Telecomの4Gが安定して入り(eSIM経由でCrnogorski Telekomに接続)、写真のアップロードやSNSの閲覧もスムーズでした。旧市街のメインゲート(Sea Gate)周辺、聖トリプン大聖堂の広場、猫だらけの路地裏のいずれでも通信に困ることはありませんでした。
コトルで特筆すべきなのは、旧市街の背後にそびえる城壁の上まで登れることです。約1,350段の石段を登ると、コトル湾を一望する絶景が待っています。筆者は早朝にこの城壁を登りましたが、頂上付近でも4Gの電波は入りました。山の上なので基地局からの見通しが良いためかもしれません。頂上からの写真をその場でSNSに投稿できたのは嬉しかったです。
旧市街のカフェやレストランではWiFiが提供されていますが、石造りの分厚い壁に囲まれた建物内ではWiFiの電波が弱くなる場合があります。テラス席のほうがWiFiの入りが良いことが多かったです。
ブドヴァ — ビーチリゾートの通信事情
ブドヴァはモンテネグロ最大のビーチリゾートで、夏場はヨーロッパ中から観光客が押し寄せます。旧市街はコトルより小さいですが、ビーチとの距離が近く、リゾート感があります。
通信環境は良好です。ブドヴァのビーチ沿い、旧市街、ホテルエリアのいずれでも4Gが安定していました。ビーチでスマホを使う旅行者が多いためか、基地局の整備が進んでいるようです。
ビーチでのWiFi事情ですが、ビーチバーやレストランのWiFiがビーチまで届くことがあります。ただし、砂浜の真ん中では当然WiFiは拾えないので、キャリア回線(eSIMか現地SIM)に頼ることになります。
筆者がブドヴァで印象に残ったのは、旧市街の城壁の上から見るアドリア海の夕日です。この景色を撮影してその場でSNSにアップロードしましたが、4G回線でまったくストレスなく送信できました。
ドゥルミトル国立公園 — 山岳地帯の通信事情
ドゥルミトル国立公園はモンテネグロ内陸部にある国立公園で、タラ渓谷(ヨーロッパで最も深い渓谷)やブラックレイク(黒い湖)など、手つかずの自然が残るエリアです。
通信環境は沿岸部に比べると格段に落ちます。拠点となるジャブリャクの町ではCrnogorski Telekomの3G〜4G電波が入りますが、トレッキングルートに入ると電波が不安定になるエリアが増えます。ブラックレイク周辺では3Gが入りましたが、山の奥に進むと圏外になる区間がありました。
タラ渓谷でのラフティングは人気アクティビティですが、渓谷の底では電波がほぼ入りません。ラフティング中はスマホを防水ケースに入れて写真撮影だけに使い、通信は町に戻ってからという割り切りが必要です。
ただし、タジキスタンのパミール高原のような「数日間の圏外」にはなりません。ドゥルミトルの場合、トレッキングから戻ってジャブリャクの町に降りれば通信が回復します。ゲストハウスのWiFiも使えるので、その日のうちに写真の送信やSNSの更新ができます。
オフラインマップは念のため用意しておくことを推奨します。Google Mapsのドゥルミトル周辺の情報はそこそこ充実していますが、トレッキングルートの詳細はMaps.me(Organic Maps)のほうが正確です。
沿岸ドライブ — コトル湾のワインディングロード
モンテネグロの沿岸部をレンタカーで走るのは、この国の旅行の醍醐味の一つです。コトルからブドヴァ、ヘルツェグ・ノヴィからペラスト、アドリア海沿いの道はどこも絶景続きです。
沿岸道路での通信は概ね良好でした。コトル湾を一周する道路ではほぼ全区間で4Gが入り、Google Mapsのナビゲーションが途切れることはありませんでした。ペラストの小さな町でも電波は安定しており、教会島(Our Lady of the Rocks)を撮影してその場で送信できました。
一方、内陸方面への山道に入ると電波が不安定になります。コトルからツェティニェへの峠道は、ヘアピンカーブの連続で景色は素晴らしいのですが、電波は途切れがちでした。Google Mapsを使ったナビゲーション中に通信が切れると、地図のロードが止まってルートが表示されなくなります。この対策として、出発前にルート沿いのオフラインマップをダウンロードしておくことを推奨します。
クロアチアからの国境越え — 通信の切り替え
クロアチアとモンテネグロの間は陸路での国境越えが一般的です。ドゥブロヴニクからコトルまではバスで約2〜3時間。この区間にはEU⇔非EUの国境があります。
筆者はドゥブロヴニクからバスでコトルに向かいましたが、国境を越えた瞬間に通信事業者からローミング通知のSMSが届きました。事前にモンテネグロ対応のeSIMを設定してあったので、すぐに回線を切り替えました。
夏のピークシーズン(7〜8月)はこの国境で長い待ち時間が発生することがあります。クルーズ船の乗客を載せたバスが列をなし、1〜2時間待たされることも珍しくありません。この待ち時間にスマホで時間を潰すためにも、通信手段は確保しておきたいところです。国境の待機列ではクロアチア側の電波が入ることもあれば、モンテネグロ側の電波が入ることもあり、不安定な状態が続きます。eSIMの両方のプロファイルをインストールしておけば、どちらかの電波を掴んで通信できます。
ボスニアからの国境越え
ボスニア・ヘルツェゴビナからモンテネグロへの入国ルートもあります。サラエボからポドゴリツァ、モスタルからコトルなど、いくつかのバスルートが運行しています。
ボスニアもモンテネグロもEU非加盟国なので、どちらもEUローミングの対象外です。両国ともに対応したeSIMが必要になります。Airaloのヨーロッパ周遊プランは両国をカバーしていることを筆者が確認済みですが、購入前に対応国リストの最新情報を確認してください。
国境越え時の通信切り替えは、ボスニア用eSIMからモンテネグロ用eSIMへの切り替え、またはヨーロッパ周遊eSIMの場合はキャリアの自動切り替えで対応します。周遊eSIMの場合は手動での切り替えが不要なので、バルカン半島を複数国回る旅行者にはヨーロッパ周遊プランが便利です。
モンテネグロのフリーWiFi事情
モンテネグロの沿岸部はリゾート観光が盛んなため、WiFi環境は比較的充実しています。
| 場所 | WiFi | 備考 |
|---|---|---|
| コトル旧市街のカフェ | 多数あり | 石造り建物内は電波弱め |
| ブドヴァのビーチ沿いレストラン | あり | ビーチまでは届かないことが多い |
| ヘルツェグ・ノヴィのカフェ | あり | 海沿いのテラス席が快適 |
| ホテル / ゲストハウス | ほぼ全てあり | リゾートホテルは速度良好 |
| ジャブリャク(ドゥルミトル拠点) | 限定的 | ゲストハウスのみ |
| ポドゴリツァ市内 | カフェ中心 | 首都だが観光客は少ない |
沿岸部のリゾートホテルはWiFiの速度が安定しており、仕事にも使えるレベルでした。一方、内陸部のジャブリャクではゲストハウスのWiFiが頼りで、速度はお世辞にも速いとは言えません。
VPNが必要になる場面
モンテネグロではインターネットの検閲はありません。SNS、メッセージアプリ、ニュースサイトのいずれも自由にアクセスできます。VPNが役立つ場面は以下の通りです。
- カフェやホテルのフリーWiFi利用時のセキュリティ対策
- 日本の動画サービス(TVer、ABEMA、Netflix日本版)の視聴
- オンラインバンキングの利用(海外IPからのアクセス制限回避)
リゾート地ではフリーWiFiを使う場面が多いので、VPNでの暗号化は入れておいて損はありません。
出発前チェックリスト
必須(出発1週間前まで)
- スマホがeSIM対応か確認する(iPhone XS以降、Google Pixel 3a以降など)
- モンテネグロ対応のeSIMプランを購入する(EU圏のみのプランでないことを確認する)
- eSIMプロファイルをインストールしておく
- Googleマップでコトル・ブドヴァ周辺のオフラインマップをダウンロードする
- 海外ローミングをオフにする
- VPNアプリをインストールし、接続テストを済ませる
推奨(あると便利)
- ドゥルミトル国立公園に行く場合はMaps.me(Organic Maps)のモンテネグロ地図をダウンロードする
- Bolt(配車アプリ)をインストールする(ポドゴリツァで利用可能)
- モバイルバッテリーを充電しておく
- 変換プラグ(C型またはF型)を持っていく
- 海外対応のクレジットカード/デビットカードを準備する(カード選びの参考記事)
バルカン半島周遊の場合
- クロアチア(EU)、ボスニア(非EU)、モンテネグロ(非EU)それぞれの通信プランを確認する
- ヨーロッパ周遊eSIMの対応国リストに3カ国すべてが含まれているか確認する
- 国境越え時のeSIM切り替え手順を確認しておく
まとめ
モンテネグロの通信環境は、沿岸部の観光地であれば快適です。コトル旧市街でもブドヴァのビーチでも、4Gが安定しておりストレスなく通信できます。内陸のドゥルミトル国立公園では電波が不安定になる区間がありますが、拠点の町では通信が回復するので致命的ではありません。
最大の注意点は、ユーロが使える国なのにEU非加盟であるという点です。EUローミングは適用されないため、クロアチアやイタリアなどEU圏から入国する際は、必ずモンテネグロ対応のeSIMか現地SIMに切り替えてください。この一点だけ押さえておけば、モンテネグロの通信で困ることはほぼありません。
コトル湾の深い青、城壁の上から見下ろす赤い屋根の旧市街、アドリア海に沈む夕日。モンテネグロは小さな国ですが、写真に収めたくなる風景の密度ではヨーロッパでもトップクラスです。その風景をリアルタイムでシェアするために、eSIMの準備だけは忘れずに。
バルカン半島を周遊する方はクロアチアのeSIMガイドやボスニアのeSIMガイドも参考にしてください。ドブロブニクからコトルへ日帰りする方も多いので、国境越えの通信切り替えには注意してください。
eSIMの具体的なサービス比較はeSIM比較記事、VPNの選び方はVPN比較記事で詳しく解説しています。
帰国後にやること
モンテネグロから帰国したら(またはEU圏に戻ったら)、スマホの設定を確認してください。
- モバイルデータ通信の回線を日本のキャリア(docomo、au、SoftBank等)に戻す
- モンテネグロ用のeSIM回線をOFFにする(または削除する)
- EU圏に戻る場合はEU圏のeSIMをONに戻す
- 機内モードをON→OFFにして回線を掴み直す
帰国便に乗る前にeSIMをOFFにしておけば、日本の空港に着いた瞬間から日本の回線に繋がります。詳しい手順は帰国後の設定ガイドで解説しています。
よくある質問
モンテネグロでeSIMは使える?
モンテネグロはEU加盟国ですか?EUローミングは使えますか?
コトルやブドヴァでフリーWiFiは使える?
モンテネグロの現地SIMはいくら?
モンテネグロ旅行のデータ通信量の目安は?
海外旅行の準備、これも忘れずに
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