eSIMを使った海外旅行から帰国後、スマホの設定を元に戻す方法
帰国後にスマホが「圏外」になった、docomoやauの電波を掴まない。そんなとき、まず伝えたいことがあります。スマホは壊れていません。設定を戻すだけで直ります。
Yahoo知恵袋には「至急」タグ付きで「帰国後に電話が繋がらない」「通信サービスがありませんと表示される」という相談が定期的に投稿されています。筆者も確認しましたが、回答欄を見るとほぼ全員が設定の切り替え忘れで解決しています。海外旅行でeSIMを使ったあと、日本の回線に戻す操作をしていないだけです。
帰国後にやるべき設定手順をステップごとに解説します。iPhoneとAndroidの両方に対応しているので、今まさに「圏外」で焦っている方は、上から順番に試してください。
壊れていません。5つの設定を戻すだけです
帰国後に通信できなくなる原因は、海外eSIMの設定が有効なまま残っていることです。渡航中に切り替えた設定を日本仕様に戻せば、電波は元通り入ります。
所要時間は2〜3分。以下の5ステップを順番に進めてください。
Step 1: 海外eSIMの回線をOFFにする
最初にやるのは、海外用eSIMの回線を無効にすることです。
iPhoneの場合、「設定」→「モバイル通信」を開くと、インストール済みの回線が一覧で表示されます。海外eSIM(「旅行用」「Travel」など、自分で付けた名前)をタップして、「この回線をオンにする」のトグルをOFFにしてください。
Androidの場合、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から海外eSIMを選び、無効化します。
この操作だけで解決するケースも多いですが、念のため残りのステップも確認してください。
Step 2: モバイルデータ通信を日本の回線に戻す
ここが見落としやすいポイントです。
iPhoneでは「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」を開き、日本のキャリア(docomo、au、SoftBank、楽天モバイル)を選択します。海外eSIMを使っていた間はこの設定が海外回線に切り替わっているため、手動で戻す必要があります。
Androidでも同様に、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から日本のキャリアを「データ通信に使用」として選択してください。
海外eSIMを削除しただけでは、この設定は自動で戻りません。「eSIMを消したのにネットが使えない」という相談の多くは、ここが原因です。
Step 3: データローミングをOFFにする
海外渡航中にデータローミングをONにしていた方は、OFFに戻してください。
iPhoneなら「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データローミング」をOFFにします。日本国内では不要な設定なので、帰国したら切っておくのが安全です。
データローミングの仕組みや高額請求のリスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Step 4: 音声通話のデフォルト回線を確認する
「データ通信はできるのに電話だけ繋がらない」という場合、この設定が原因であることがほとんどです。
iPhoneでは「設定」→「モバイル通信」→「デフォルトの音声回線」を開いて、日本のキャリアが選択されているか確認してください。海外eSIMはデータ専用のものが多く、音声通話には対応していません。デフォルト回線がデータ専用の海外eSIMに設定されたままだと、発信も着信もできない状態になります。
Androidでは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から、通話に使うSIMとして日本のキャリアを指定します。
Step 5: 機内モードをON→OFFにする
ここまでの設定変更を反映させるために、機内モードを使って回線を掴み直します。
コントロールセンター(iPhone)またはクイック設定パネル(Android)から機内モードをONにして、10秒ほど待ってからOFFに戻してください。端末が改めて電波を探し、日本のキャリアに接続します。
画面左上(iPhoneの場合)にキャリア名とアンテナが表示されれば完了です。
それでも繋がらない場合
上記の5ステップで解決しない場合は、以下を順番に試してください。
端末を再起動するのが最初の対処です。電源を完全にOFFにして、30秒ほど待ってから再起動します。機内モードの切り替えでは解消しなかった接続の問題が、再起動でリセットされることがあります。
それでも改善しなければ、海外eSIMのプロファイルを削除してみてください。もう使わないeSIMであれば、削除することで回線の競合が解消される場合があります。
最終手段として、契約キャリアに直接電話で相談してください。
- docomo: 151(docomoの携帯から)
- au: 157(auの携帯から)
- SoftBank: 157(SoftBankの携帯から)
携帯が使えない場合は、自宅のWiFi経由でキャリアの公式サイトからチャットサポートを利用する方法もあります。
よくある失敗パターン
帰国後のトラブルにはパターンがあります。筆者がYahoo知恵袋やSNSで見かけた事例を整理しておきます。
1つ目は、海外eSIMを削除しただけで、モバイルデータの切り替え(Step 2)を忘れているケースです。削除と切り替えは別の操作なので、両方やる必要があります。
2つ目は、音声回線のデフォルトがデータ専用の海外eSIMのままになっているケース。LINEやメールは使えるのに電話だけ繋がらない、という症状が出ます。
3つ目は少し別の話ですが、データローミングをONのまま放置して意図しない通信が発生するケース。帰国後というよりは次の渡航時に問題になることが多いですが、不要な設定は都度OFFにしておく習慣をつけておくと安心です。
デュアルSIM端末での帰国後の注意点
最近のiPhoneやAndroidスマホは、物理SIMとeSIMの両方を使える「デュアルSIM」に対応しています。日本のキャリアを物理SIMで契約し、海外eSIMを追加するという使い方をしている方も多いはずです。
この構成の場合、帰国後に確認すべきなのは「どちらのSIMがデータ通信の主回線になっているか」です。渡航中に海外eSIMをデータ通信用に設定していると、帰国後もそのままになっています。
iPhoneでは「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」を開くと、どの回線がデータ通信に使われているか確認できます。ここが海外eSIMのままであれば、日本のキャリア回線をタップして切り替えてください。音声通話も同様に「デフォルトの音声回線」で日本のキャリアが選択されているか確認します。iPhoneの場合、この2つの設定は独立しているので、片方だけ戻しても、もう片方は海外eSIMのままということが起こります。
Androidでは機種ごとに操作が少し異なります。Pixelシリーズの場合、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」を開くと、インストール済みのSIMが一覧で表示されます。日本のキャリアをタップして「データ通信に使用」をONにしてください。Galaxyシリーズの場合は「設定」→「接続」→「SIMカードマネージャー」から同じ操作ができます。
筆者の経験では、iPhoneのほうがデュアルSIMの管理画面がわかりやすく、Androidは機種ごとにメニュー名が違うので戸惑うことがあります。どちらの端末でも、帰国後は「データ通信」と「音声通話」の両方が日本のキャリアに設定されているかを確認するのがポイントです。
複数のeSIMをインストールしている場合
出張や旅行で複数の国を訪れるうちに、端末に2つ、3つとeSIMが溜まっていくことがあります。筆者のiPhoneにも、タイ用のAiralo、ヨーロッパ周遊用のtrifa、韓国用のeSIMが残っていた時期がありました。
複数のeSIMがインストールされていても、有効(ONの状態)になっているeSIMが1つだけであれば問題はありません。ただし、帰国後に2つ以上のeSIMがONになっていると、端末がどの回線を優先すべきか迷い、通信が不安定になることがあります。
管理のルールはシンプルです。帰国後は、日本のキャリア回線以外のeSIMをすべてOFFにしてください。
削除するかどうかは、次の旅行の予定で判断します。有効期限内でデータ残量が残っているeSIMは、次回同じ国に渡航する予定があれば残しておく価値があります。有効期限が切れているeSIM、もう行く予定のない国のeSIMは削除して整理するのがおすすめです。
iPhoneの場合、「設定」→「モバイル通信」で各eSIMの名前をタップすると、回線のON/OFFと削除の操作ができます。Androidでも「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から同様の操作が可能です。
eSIMの名前を「タイ2026年1月」「欧州周遊2025年12月」のようにリネームしておくと、どのeSIMがどの旅行のものか一目でわかるようになります。iPhoneでは回線の名前をタップして「カスタム名称」から変更できます。
なお、iPhoneでインストールできるeSIMの上限は機種によって異なりますが、iPhone 13以降であれば8枚以上のeSIMを保存できます。ただし、同時にアクティブにできるのは2回線までです。不要なeSIMを整理せずに放置しても端末の動作に影響はありませんが、一覧が見づらくなるので、半年に一度は棚卸しすることをおすすめします。
キャリア別の帰国後チェックリスト
各キャリアによって、帰国後に確認すべきポイントが微妙に異なります。
docomo
docomoは「世界そのままギガ」というデータローミングサービスを提供しています。渡航中にこのサービスを利用開始した方は、帰国後に自動で課金が止まるか確認してください。通常は帰国後に自動停止しますが、「継続利用」設定になっていると日本国内でも課金される可能性があります。
My docomoアプリでの確認手順は以下のとおりです。アプリを開いたら、画面下部の「データ・料金」タブをタップします。次に「利用料金」を選択し、当月の明細を表示します。「海外利用」の項目に課金が残っていないか確認してください。もし「世界そのままギガ」が継続中になっている場合は、同じ画面内の「海外利用の設定」から「利用停止」を選択します。
また、My docomoアプリのトップ画面に表示されるデータ残量が異常に減っている場合は、海外利用分がカウントされている可能性があります。「データ量の確認」画面で内訳を確認してください。
au
auの「世界データ定額」は24時間単位の課金制です。帰国後は自動で利用が終了しますが、念のため「データチャージ」の自動購入設定がOFFになっているか確認しましょう。
My auアプリでの確認手順です。アプリを開き、画面下部の「スマホ」タブをタップします。「ご利用料金」→「料金詳細を確認」と進むと、当月の利用明細が表示されます。「海外利用」のセクションに「世界データ定額」の記載がないか確認してください。自動購入設定の確認は、「データチャージ」→「自動購入設定」と進み、「自動購入しない」が選択されていることを確認します。
SoftBank
SoftBankの「海外あんしん定額」も同様に、帰国後は手動で利用停止する必要がある場合があります。
My SoftBankアプリでの確認手順です。アプリを開いたら「料金確認」をタップします。「請求額を確認」→「内訳を見る」と進み、「海外パケットし放題」や「海外あんしん定額」の課金がないか確認してください。利用停止の操作は、アプリトップに戻り「契約確認・変更」→「オプション」→「海外関連サービス」から行えます。
楽天モバイル
楽天モバイルは月2GBまで海外データ通信が無料で使えるプランがあります。2GBを超過した場合、帰国後に自動で国内データ通信に戻りますが、「海外ローミング」の設定がONのままだと次回の渡航時に意図せず課金される可能性があります。
my 楽天モバイルアプリでの確認手順です。アプリを開き、トップ画面に表示されるデータ利用量を確認します。「海外ローミング」の利用量が別枠で表示されるので、帰国後に増えていないかチェックしてください。海外ローミングの設定変更は、アプリの「契約プラン」→「各種設定」→「海外ローミング」から行えます。Rakuten Linkアプリとは別のアプリなので間違えないようにしてください。Rakuten Linkは通話やメッセージ用のアプリで、回線設定の変更はmy 楽天モバイルアプリから行います。
格安SIM(MVNO)ユーザーの帰国後設定
IIJmio、mineo、UQ mobile、Y!mobileなどの格安SIMを使っている方は、大手キャリアとは少し事情が異なります。格安SIMの場合、帰国後にAPN設定の確認が必要になることがあります。
APN(Access Point Name)は、端末がどのネットワークに接続するかを決める設定です。海外eSIMを使うときにAPN設定が変更される場合があり、帰国後に元のAPN設定に戻っていないとデータ通信ができない状態になります。
iPhoneの場合は、格安SIMのAPN設定は「構成プロファイル」として端末にインストールされています。通常は海外eSIMの利用で構成プロファイルが消えることはありませんが、万が一データ通信ができない場合は「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開いて、格安SIMの構成プロファイルが残っているか確認してください。プロファイルが消えている場合は、各格安SIMの公式サイトからプロファイルを再ダウンロードしてインストールし直す必要があります。
Androidの場合はAPN設定が手動で入力されていることが多いです。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→日本の格安SIMを選択→「アクセスポイント名」と進んで、正しいAPNが選択されているか確認してください。
主要な格安SIMのAPN設定が変更されていた場合の復旧方法をまとめておきます。
IIJmioの場合、iPhoneは公式サイトの「初期設定(APN設定)」ページからプロファイルを再インストールします。Androidは「設定」→「SIM」→「アクセスポイント名」で「IIJmio」が選択されていることを確認してください。
mineoの場合、iPhoneは「マイネ王」の公式ガイドまたはmineo公式サイトからプロファイルをダウンロードします。Androidは回線タイプ(Aプラン・Dプラン・Sプラン)によってAPN設定が異なるため、自分の契約プランに合ったAPNが選ばれているか注意が必要です。
UQ mobileとY!mobileは大手キャリアのサブブランドのため、比較的トラブルは少ないです。それでもデータ通信ができない場合は、端末の再起動で解決することがほとんどです。それでも直らなければ、UQ mobileは「my UQ mobile」アプリ、Y!mobileは「My Y!mobile」からAPN設定を確認してください。
格安SIMユーザーは帰国前にAPN設定のスクリーンショットを撮っておくと、万が一設定が消えたときに復旧しやすくなります。筆者は渡航前に「設定」→「SIM」→「アクセスポイント名」の画面をスクリーンショットで保存するようにしています。海外で通信環境がなくても、端末内の画像を見ながらAPN情報を手入力で復旧できるので安心です。
海外eSIMのデータ残量を次回の旅行で使う方法
海外eSIMにデータ残量が残っている場合、次回の渡航で再利用できる可能性があります。
Airaloの場合、eSIMプロファイルの有効期限内であればデータ残量を引き継げます。また、アプリ内から追加データを購入(Top Up)することも可能です。eSIMプロファイルを削除せずに残しておけば、次回同じ国に渡航した際にすぐに使えます。
trifaも同様に、有効期限内のプランであればデータ残量を次回に持ち越せます。ただし、有効期限を過ぎたプランは自動的に失効するため、長期間渡航しない場合は実質的に使い切りとなります。
次の旅行が決まっていない場合は、eSIMプロファイルを端末に残しておいても問題ありません。日本国内で通信料が発生することはなく、ストレージもごくわずかしか使いません。
帰国前にやっておくと安心なこと
次回の渡航から実践してほしい予防策を2つ紹介します。
帰国便に搭乗する前に海外eSIMをOFFにしておくことです。飛行機に乗ってしまえば海外eSIMは不要なので、搭乗前に無効化しておけば、日本の空港に到着した瞬間から日本の回線に繋がります。
もう1つは、日本の空港に着陸してスマホの電源を入れたら、機内モードをON→OFFにすること。これだけで日本のキャリアの電波を確実に掴み直せます。
この2つを習慣にしておけば、帰国後に「圏外」で焦ることはなくなります。
空港到着後の最初の5分でやること
成田や羽田、関空に着陸してシートベルトサインが消えたら、周りの乗客がスマホを取り出すのと同じタイミングで、以下の手順を5分で済ませてください。
まず、機内モードをOFFにします。フライト中に機内モードにしていた方は、ここでOFFにしてください。端末が自動的に電波を探し始めます。
次に、画面左上(iPhoneの場合)またはステータスバーにキャリア名(docomo、au、SoftBank、Rakuten)が表示されるか確認します。表示されるまで30秒から1分ほどかかることがあるので、少し待ってください。「圏外」や「No Service」と表示される場合は、海外eSIMがデータ通信の主回線になっている可能性があります。本記事のStep 1とStep 2を実行してください。
キャリア名が表示されたら、ブラウザを開いて適当なサイト(例えばgoogle.co.jp)にアクセスして、データ通信が正常に動いているか確認します。WiFiに接続していない状態で試してください。空港のフリーWiFiに自動接続されていると、モバイルデータ通信のテストになりません。
データ通信が確認できたら、最後に電話の発信テストをします。自分の留守番電話(docomoなら1417)にかけるか、自宅の固定電話に短くかけて、音声通話が繋がることを確かめてください。
この4つの確認が空港の到着ロビーに出る前に終われば、帰国後の通信トラブルはまず起きません。もし何か問題があっても、空港内であればフリーWiFiが使えるので、落ち着いて設定を見直せます。
eSIMの設定手順ガイドも合わせて読んでおくと、出発前から帰国後までの流れが一通り把握できます。
よくある質問
海外eSIMを削除すれば元に戻る?
帰国後、電話の発信はできるのにデータ通信だけできないのはなぜ?
海外eSIMはいつ削除すべき?
設定を全部戻したのに「圏外」のままで直らない
データローミングをONのまま帰国したら高額請求される?
機内モードのON→OFFで本当に直るの?
eSIMの残りデータは次の旅行で使える?
帰国後にキャリアの海外定額サービスの課金が止まらない場合は?
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