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データローミングで10万円請求された人の話|高額請求を防ぐ設定方法

「帰国後にスマホの請求書を開いたら、見たことのない金額が並んでいた」。

これは都市伝説でも昔話でもありません。2026年の今でも、データローミングによる高額請求は実際に発生しています。筆者の同僚が昨年ヨーロッパ出張から帰国した翌月、携帯料金の請求額が12万円を超えていた話を直接聞きました。普段は月8,000円ほどの請求だったそうなので、約15倍です。

なぜデータローミングで高額請求が発生するのか、その仕組みを解説した上で、出発前にやっておくべき設定と、そもそもローミングに頼らない通信手段について整理します。

データローミングで高額請求が起きる仕組み

データローミングとは、契約している日本のキャリア回線を使って、海外の通信事業者のネットワークに接続する機能のことです。

日本にいるときと同じ感覚でスマホを使えるのは便利ですが、問題は料金体系にあります。データローミングの通信費は、国内料金とはまったく別のレートで課金されます。キャリアや渡航先によって異なりますが、1MBあたり数百円から数千円という水準です。

「1MBなんてほとんど使わないでしょ」と思うかもしれません。しかし現実には、スマホは持ち主が意識しないところで大量のデータ通信を行っています。

アプリのバックグラウンド更新、メールの自動受信、写真のクラウド同期、OSのアップデートチェック。これらはWiFiに接続していないとき、モバイルデータ通信を使って自動的に動きます。データローミングがオンになっていれば、海外でもこれらの通信がすべてローミング料金で課金されるのです。

3大キャリアの海外データローミング料金

まず、docomo・au・SoftBankのデータローミング料金を整理します。各キャリアとも「定額プラン」を用意していますが、定額が適用されない場合の従量課金が本当の怖さです。

項目docomoauSoftBank
定額サービス名世界そのままギガ世界データ定額海外あんしん定額
1日定額(少量)980円/日(200MB)980円/24時間(利用開始操作必要)980円/24時間(3MB超で自動適用)
1日定額(大容量)2,980円/日(無制限)2,980円/24時間2,980円/24時間
定額未適用時の従量課金1,980円/1MB〜1,980円/1MB〜1,980円/1MB〜
事前申し込み必要(My docomo)必要(世界データ定額アプリ)不要(自動適用だが条件あり)
対象国数約200か国約150か国約200か国

定額プランに入っていても、1日980円なら7日間で6,860円、2,980円プランなら7日間で20,860円になります。家族2人なら倍です。

一方で、定額未適用のまま従量課金になった場合、1MBあたり1,980円という料率は、YouTubeを5分観ただけで約10万円に到達する計算です。この差が高額請求の正体です。

実際にあった高額請求のケーススタディ

筆者が見聞きした範囲で、よくある高額請求のパターンを具体的に紹介します。

ケース1: クラウド同期で12万円(筆者の同僚・ヨーロッパ出張)

筆者の同僚のケースでは、iCloudの写真同期がオンのままだったことが主な原因でした。旅行中に撮った数百枚の写真と動画が、バックグラウンドでiCloudにアップロードされ続けていたわけです。本人はホテルのWiFiで同期されていると思い込んでいましたが、ホテルのWiFiが不安定で、スマホが自動的にモバイルデータ(ローミング)に切り替わっていました。

  • 渡航先: フランス・ドイツ(10日間)
  • 請求額: 約12万円(通常月は約8,000円)
  • 原因: iCloud写真同期 + WiFi→モバイルデータの自動切替
  • 結末: キャリアに相談し、海外定額プランの料金(約1万円)に減額された

ケース2: 定額プランの適用漏れで5万円(知人・東南アジア周遊)

筆者の知人は、タイとベトナムを周遊する旅程で、タイは定額対象国だと確認していました。しかし、経由地のマレーシア・クアラルンプール空港でトランジット待ちの3時間、SNSを使い続けたところ、その通信が定額対象外として処理されていました。定額プランの利用開始操作をマレーシアで行っていなかったのが原因です。

  • 渡航先: タイ・ベトナム(トランジット: マレーシア)
  • 請求額: 約5万円(うちマレーシアでの通信分が約2万円)
  • 原因: トランジット国で定額プランの利用開始操作を忘れた
  • 結末: 一部減額されたが、全額免除にはならなかった

ケース3: テザリングでWindows Update、8万円(同僚の上司・アメリカ出張)

ノートPCをスマホのテザリングで接続していたところ、Windowsの大型アップデートがバックグラウンドで走り、数GBのデータを消費しました。本人はメールチェックしかしていないつもりだったそうです。

  • 渡航先: アメリカ・ニューヨーク(5日間)
  • 請求額: 約8万円
  • 原因: テザリング経由でのWindows Update(約3GB)
  • 結末: キャリアに相談するも、「テザリングは自己責任」として減額なし

この3つのケースに共通するのは、「本人はデータを使っている自覚がなかった」という点です。バックグラウンド通信の怖さを示す典型例です。

データローミングをオフにする手順(iOS)

iPhoneの設定手順を、画面の階層ごとに説明します。出発前に必ず確認してください。

手順1: データローミング本体をオフにする

「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データローミング」をオフにします。これが最も重要な設定です。iOS 17以降の場合、eSIMとの併用時は回線ごとに設定が必要なので、すべての回線でオフになっているか確認してください。

手順2: バックグラウンド通信を制限する

「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」で、不要なアプリのバックグラウンド更新をオフにしてください。全部オフにするのが不安なら、少なくともクラウドストレージ系(写真、Googleフォト、Dropbox)とSNS系は切っておくべきです。

手順3: iCloudの写真同期を制御する

「設定」→「自分の名前」→「iCloud」→「写真」→「モバイルデータ通信」をオフにしておけば、WiFi接続時のみ同期されるようになります。

手順4: OSの自動アップデートを止める

「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」→「自動アップデート」をオフにします。海外でiOSアップデートが走ると数百MBから数GBの通信が発生します。

データローミングをオフにする手順(Android)

Androidはメーカーによってメニュー名が異なりますが、基本的な流れは同じです。

手順1: データローミング本体をオフにする

「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「データローミング」をオフにします。メニューが見つからない場合は、設定画面の検索バーで「ローミング」と入力すると確実です。

手順2: Googleフォトのバックアップを制御する

Googleフォトアプリを開き、「設定」→「バックアップ」→「モバイルデータ使用量」で、モバイルデータでのバックアップをオフにします。

手順3: アプリごとのバックグラウンドデータを制限する

「設定」→「アプリ」から個別にバックグラウンドデータの使用を制限できます。渡航前にデータ使用量の多いアプリを確認し、不要なものは制限をかけておくと安心です。

手順4: システムアップデートを延期する

「設定」→「システム」→「システムアップデート」で自動ダウンロードをオフにします。Pixelの場合は「設定」→「システム」→「ソフトウェアアップデート」から変更できます。

スマホの海外設定全般については、海外旅行のスマホ設定ガイドでより詳しくまとめています。

「定額プラン入ってるから大丈夫」の落とし穴

日本の3大キャリアはいずれも海外パケット定額サービスを提供しています。一見安心に見えますが、いくつか注意点があります。

まず、1日980円でも7日間で6,860円です。eSIMなら同じ期間を1,500〜3,000円程度でカバーできるため、コスト面では明らかにeSIMが有利です。

次に、定額プランは事前の申し込みや専用アプリでの利用開始操作が必要な場合があります。「海外に行けば自動で適用される」と思い込んでいると、従量課金のまま使い続けてしまうリスクがあります。

さらに、対象国・地域の確認も必須です。主要な観光地はほぼカバーされていますが、一部の国や離島は対象外のことがあります。渡航先が複数国にまたがる場合は、すべての国が対象か確認してください。

渡航先別:データローミング vs eSIM料金比較

具体的にどれだけ差があるのか、人気の渡航先4つで7日間の料金を比較します。

渡航先キャリア定額(980円/日×7日)キャリア定額(2,980円/日×7日)eSIM(trifa参考価格)eSIM(Airalo参考価格)
韓国6,860円20,860円約1,200円(3GB/7日)約1,500円(3GB/7日)
タイ6,860円20,860円約1,000円(3GB/7日)約1,200円(3GB/7日)
ハワイ(アメリカ)6,860円20,860円約2,000円(5GB/7日)約1,800円(5GB/7日)
ヨーロッパ周遊6,860円×訪問国数の場合あり20,860円約2,500円(5GB/7日)約2,200円(5GB/7日)

韓国7日間の場合、キャリアの最安定額プラン(6,860円)とeSIM(約1,200〜1,500円)で、差額は約5,000円です。ヨーロッパ周遊になると差はさらに開きます。eSIMなら1枚のヨーロッパ周遊プランで複数国をカバーできるのに対し、キャリア定額は国をまたぐたびに利用開始操作が必要になるケースがあります。

eSIM各社の詳しい料金比較は海外旅行向けeSIM比較記事にまとめています。

そもそもデータローミングに頼らない方法

ここまで読んで「設定が面倒だし、定額プランも高い」と感じた方もいると思います。筆者の結論は明快で、海外での通信手段はeSIM一択です。

eSIMを使えば、日本のキャリア回線のデータローミングに一切依存せずに通信できます。メイン回線のデータローミングをオフにしたまま、eSIM側の回線で現地のネットワークに接続する形です。料金は事前にプランを購入した分だけ。青天井の請求が届くことは物理的にありえません。

筆者がeSIMに切り替えたのは2024年の春で、それ以来バンコクやシンガポール、ソウルなど複数の国をeSIMだけで過ごしてきました。空港に着いた瞬間にデータ通信が使える安心感は格別です。

eSIMの選び方は海外旅行向けeSIM比較の記事でまとめています。eSIMとポケットWiFiのどちらにするか迷っている方は、eSIM vs ポケットWiFi比較も参考にしてみてください。初めてのeSIM設定が不安な方は、eSIM設定ガイドに手順を画面付きで載せています。

eSIMに切り替えた場合の節約試算

年に複数回海外旅行をする人がeSIMに切り替えた場合、年間でどのくらい節約できるのか試算してみます。

旅行パターンキャリア定額(980円/日)eSIM利用時年間節約額
韓国3泊4日×年2回7,840円(3,920円×2)2,400円(1,200円×2)約5,400円
タイ5泊6日×年1回5,880円1,000円約4,900円
ヨーロッパ10日間×年1回9,800円2,500円約7,300円
合計(年4回渡航)23,520円5,900円約17,600円

年4回海外に行く人なら、eSIMに切り替えるだけで年間約17,600円の節約です。キャリアの2,980円/日プランを使っていた場合は、節約額がさらに大きくなります。

しかも、これは「定額プランが正しく適用された場合」の比較です。定額が適用されず従量課金になった場合のリスクまで含めると、eSIMの費用対効果はさらに際立ちます。

それでもデータローミングを使う場合のチェックリスト

eSIMが使えない事情がある方のために、データローミングを使う場合の最低限のチェックリストを載せておきます。

  • 契約キャリアの海外定額プランに事前申し込みしたか
  • 渡航先がそのプランの対象国に含まれているか
  • 利用開始の操作方法(専用アプリ等)を確認したか
  • クラウド同期(写真・動画)をWiFiのみに制限したか
  • アプリのバックグラウンド更新を制限したか
  • OSの自動アップデートをオフにしたか
  • テザリングの使用量を意識できるか

ひとつでも「いいえ」があるなら、出発前に対処してください。

帰国後に高額請求が届いた場合の対処法

すでに請求が届いてしまった場合、以下の手順で対処してください。

手順1: 明細でローミング課金を特定する

キャリアのマイページ(My docomo、My au、My SoftBank)にログインし、明細を確認します。「国際ローミング」「海外パケット通信」「海外データ通信」などの項目を探してください。明細が翌月にまたがる場合もあるので、渡航月とその翌月の2ヶ月分を確認します。

手順2: 通信量と利用状況を整理する

キャリアに連絡する前に、以下の情報を整理しておくとスムーズです。

  • 渡航期間と渡航先の国名
  • 海外定額プランに申し込んでいたかどうか
  • 定額プランの利用開始操作をしたかどうか
  • どのような通信をしていたか(SNS、メール、クラウド同期など)
  • 高額になった心当たり(バックグラウンド通信など)

手順3: キャリアのサポートに連絡する

キャリア連絡先受付時間
docomo0120-800-000午前9時〜午後8時
au0077-7058(海外利用に関する問い合わせ)午前9時〜午後8時
SoftBank0800-919-0157午前9時〜午後8時

電話では「海外データローミングの高額請求について相談したい」と伝えます。オペレーターに繋がったら、手順2で整理した情報を伝えてください。

手順4: 減額・定額プラン遡及適用の相談をする

「意図せずデータローミングが有効になっていた」「定額プランが適用されるはずだった」といった事情がある場合、減額や定額プラン遡及適用の相談に応じてもらえることがあります。100%ではありませんが、黙って払うよりは交渉してみる価値があります。

筆者の同僚のケースでは、キャリアに相談した結果、海外定額プランの料金に減額してもらえたそうです。12万円が約1万円に収まったと聞いて、交渉の重要性を痛感しました。

注意点として、減額対応はキャリアの裁量によるものです。「毎回減額してもらえる」前提で使い続けるのは危険です。根本的な解決策は、やはり最初からeSIMを使うか、データローミングを確実にオフにしておくことです。

データローミングの代わりにeSIMを使えば、海外通信の費用を数百円〜数千円に抑えられます。各サービスの料金を比較してみてください。eSIM主要サービスの比較はこちら
eSIMなら、データローミングの高額請求リスクをゼロにできます。日本語対応のtrifaは設定も簡単です。trifa公式サイトでeSIMプランを確認する

まとめ:データローミングの高額請求は100%防げる

データローミングによる高額請求は、知識と設定さえ正しければ100%回避できるトラブルです。

最もシンプルな解決策は、メイン回線のデータローミングをオフにして、海外通信はeSIMに任せること。これだけで、青天井の請求リスクはゼロになります。

eSIMの初期設定が不安な方は、eSIM設定ガイドを見ながら進めれば10分ほどで完了します。どのサービスを選ぶか迷う方は、海外旅行向けeSIM比較で主要サービスの料金と特徴を整理しているので、そちらを参考にしてください。

次の海外旅行の前に、まずはスマホの設定画面を開いて、データローミングがオフになっているか確認してみてください。その30秒が、10万円を救うかもしれません。

よくある質問

データローミングの料金はどのくらいかかる?
キャリアや渡航先によりますが、1MBあたり数百円〜数千円が一般的です。動画を数分再生しただけで数万円に達するケースもあります。日本の3大キャリアでは1日最大2,980円の定額プランもありますが、適用条件を満たしていないと青天井になります。
データローミングをオフにすると電話やSMSも使えなくなる?
いいえ。データローミングをオフにしても、音声通話とSMSは引き続き利用可能です。オフになるのはモバイルデータ通信のみです。ただし海外での通話・SMSには別途国際料金がかかります。
キャリアの海外パケット定額を使えば安心?
条件を正しく理解していれば概ね安心です。ただし、対象外の国があったり、特定のネットワークに手動接続すると定額対象外になるケースがあります。事前にキャリアの公式サイトで渡航先が対象国か確認してください。
高額請求が届いた場合、減額交渉はできる?
キャリアによっては相談に応じてくれる場合があります。ただし、必ず減額されるわけではありません。請求が届いたらまずキャリアのサポートに連絡し、事情を説明してみてください。
eSIMに切り替えると日本の電話番号は使えなくなる?
いいえ。eSIMは日本のSIMと併用できます。日本のSIMで電話番号を維持しつつ、データ通信だけeSIMに切り替える「デュアルSIM」運用が可能です。設定方法は「eSIM設定ガイド」で詳しく解説しています。
データローミングの請求はいつ届く?
通常、帰国後の翌月請求に反映されます。ただし渡航先の通信事業者からキャリアへの請求データ到着が遅れる場合、2ヶ月後に計上されることもあります。帰国後2ヶ月間は明細を注視してください。
機内モードにすればデータローミングは完全に防げる?
機内モードをオンにすればモバイルデータ通信は遮断されます。ただし機内モード中はWiFiも手動でオンにしない限り使えません。WiFiだけ使いたい場合は、機内モードをオンにした上でWiFiを個別にオンにしてください。

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