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eSIMとポケットWiFi、海外旅行にはどっちを持っていくべきか

海外旅行の通信手段を調べると、「eSIM一択」「ポケットWiFiはもう古い」という声をよく見かけます。

確かにeSIMは便利です。筆者自身、ポケットWiFiを5年以上使った末にeSIMへ乗り換え、今では十数カ国をeSIMで回っています。乗り換えてよかったと思っています。

ただ、ポケットWiFiが「ダメな選択肢」かというと、それは違います。旅行のスタイルや同行者の構成によっては、ポケットWiFiのほうが合理的なケースは確実にあります。

料金・使い勝手・速度・利用シーンの4軸で両者を比較し、「どんな人にどちらが向いているか」を正直にまとめます。どちらかを持ち上げるための記事ではないので、自分の旅行スタイルに当てはめながら読んでみてください。

筆者がeSIMに乗り換えた理由

比較に入る前に、筆者がポケットWiFiからeSIMに切り替えた背景を話させてください。eSIM寄りのバイアスがあることを先に明かしておきます。

以前、海外出張から羽田に深夜便で帰国したときのことです。到着したのは23時過ぎ。返却カウンターの営業時間はとっくに終わっていました。「返却ポストに入れればいいだろう」と空港内を探しましたが、利用していたレンタル会社のポストが見つからない。疲れ切っていた筆者はそのまま帰宅してしまいました。

翌朝、レンタル会社からメールが届いていました。「返却期限を過ぎております。1日あたり1,100円の延滞料金が発生します」。結局、宅配で返送するまでに3日かかり、延滞料金3,300円と送料880円を余分に払うことになりました。レンタル料金そのものより高い出費です。

もうひとつ、バンコクで終日観光していた日のこと。朝から地図アプリとGrabを使い続けていたら、15時頃にポケットWiFiのバッテリーが力尽きました。モバイルバッテリーはスマホ本体用に持っていましたが、ポケットWiFiの充電ケーブルがMicro USBで、手持ちのType-Cケーブルでは充電できません。炎天下のバンコクで通信手段を失った2時間は、今でも思い出すだけで汗が出ます。

ただ、これらは「筆者の失敗談」であって「ポケットWiFiの欠陥」ではありません。返却ポストを事前に確認しておけばよかったし、充電ケーブルも予備を持っていればよかった。eSIMに乗り換えたのは、こういった管理の手間そのものから解放されたかったからです。管理が苦にならない人なら、ポケットWiFiでも問題なく旅行できます。

料金比較:トータルコストで見る

まずは料金から比較します。単純な基本料金だけでなく、実際にかかる総コストを見てください。

項目eSIM(Airalo等)ポケットWiFi(大手レンタル)
基本料金(7日間・アジア)1,200〜2,500円4,200〜6,300円(1日600〜900円)
基本料金(7日間・ヨーロッパ)1,500〜3,500円5,600〜8,400円(1日800〜1,200円)
受取・返却手数料0円0〜550円(空港受取の場合)
補償オプション不要300〜500円/日(任意だが推奨)
モバイルバッテリーレンタル不要0〜500円/日(任意)
延滞リスクなしあり(1日1,000円前後)
破損・紛失時の費用0円20,000〜40,000円(弁償金)
7日間の実質総額目安1,200〜3,500円6,500〜14,000円

料金だけを見ればeSIMが安い。ただし、ポケットWiFiの料金を「高い」と感じるかどうかは、旅行の文脈によります。

たとえば家族4人で韓国旅行に行くケース。eSIMを4枚買えば5,000〜10,000円。ポケットWiFi1台をシェアすれば6,000円程度。1人あたりのコストはポケットWiFiのほうが安くなります。

一方で、ポケットWiFiには「見えないコスト」が潜んでいます。補償オプション(7日間で2,100〜3,500円)、返却忘れの延滞料金、弁償リスク。これらを含めた「最悪ケース」の費用差は大きいです。eSIMには物理的な端末がないので、壊すことも失くすことも返し忘れることもありません。

eSIMの料金で注意したいのは、データ容量の上限です。安いプランほど容量が少なく、使い切ったら追加購入が必要になります。動画をよく見る方やテザリングでPCも使いたい方は、余裕を持った容量のプランを選ぶか、ポケットWiFi(大容量プランが豊富)を検討してください。

使い勝手:手軽さ vs 柔軟性

eSIMの手軽さは確かに魅力的です。ただ、ポケットWiFiにはポケットWiFiならではの柔軟性があります。

観点eSIMポケットWiFi
事前準備アプリでQRコード購入(5分)Web予約→空港受取 or 宅配受取
荷物なし端末+充電器+ケーブル
充電不要(スマホに内蔵)必要(4〜8時間で切れる)
利用開始現地到着後にアプリで有効化電源を入れてWiFi接続
利用中の手間なしバッテリー残量の管理、持ち歩き
帰国時何もしない返却(空港 or 宅配)
複数端末の接続テザリング(スマホのバッテリー消耗大)得意。5〜10台同時接続可
設定の難易度QRコード読み取り(初回のみ少し手間)WiFiパスワード入力のみ
紛失リスクなしあり(弁償金発生)

eSIMに切り替えてから、カバンの中身が確実にひとつ減りました。端末本体、充電用のケーブル、予備のモバイルバッテリー。夏場のアジア旅行で、これらを持ち歩かなくてよくなったのは快適です。

一方で、ポケットWiFiの「WiFiパスワードを入れるだけ」という接続の簡単さは評価すべきです。eSIMは初回セットアップでAPNの設定やデータローミングのオン/オフなど、スマホの設定をいじる必要があります。2026年現在のeSIMアプリはかなり親切になっていますが、「スマホの設定を触るのが怖い」という方にとっては、ポケットWiFiのWiFiパスワード入力のほうがハードルは低いです。

設定に不安がある方は、eSIM設定ガイドで画面つきの手順を確認してみてください。実際にやってみると5分程度で終わりますが、事前に手順を把握しておくと安心です。

ポケットWiFiが活きる場面:PC作業

見落とされがちですが、ポケットWiFiが真価を発揮するのはPC作業の場面です。

海外のカフェやコワーキングスペースでノートPCを使って仕事をする場合、eSIMのテザリングだとスマホのバッテリーがみるみる減ります。3〜4時間のPC作業で、スマホのバッテリーが30〜40%持っていかれることも珍しくありません。

ポケットWiFiなら、スマホのバッテリーを消費せずにPCをネットに接続できます。ノマドワーカーやリモートワークで海外に長期滞在する方にとっては、これは大きな利点です。

通信速度:実用上の差はほぼない

通信速度について、正直に言えば体感差はほとんどありません。

ポケットWiFiもeSIMも、結局は現地のキャリア回線を利用しています。ポケットWiFiの端末がどれだけ高性能でも、接続先のキャリアが同じなら速度に大差は出ません。

筆者が過去に同じ都市で両方を使った際の体感をまとめます。

場面eSIMポケットWiFi
地図アプリ問題なし問題なし
SNS閲覧・投稿問題なし問題なし
ビデオ通話(Zoom等)安定安定(ただしバッテリー消耗が激しい)
動画ストリーミング問題なし問題なし
テザリングでPC接続可能(スマホのバッテリー消耗に注意)得意分野

唯一の違いは、ポケットWiFiは「WiFi接続」であり、eSIMは「モバイルデータ通信」であるという点です。建物の奥まった場所や地下ではWiFi電波の届く範囲が限られるため、ポケットWiFiをカバンに入れたままだと速度が落ちることがあります。eSIMはスマホ自体が基地局と直接通信するので、端末の位置を気にする必要がありません。

逆に、ホテルの部屋のように端末とスマホが近い距離にある場面では、まったく差を感じません。

利用シーン別の最適解

ここからは、旅行のスタイル別にどちらが適しているかを整理します。

一人旅・カップル旅行:eSIMが合理的

一人旅や二人旅では、eSIMのメリットが最も活きます。荷物が増えない、充電の心配がない、返却の手間がない。

2人旅の場合、「ポケットWiFi1台をシェアしたほうが安いのでは」と考える方がいます。料金面だけ見ればそうですが、旅行中に常に一緒に行動するとは限りません。片方がホテルで休んでいる間にもう片方が街歩きをする場面で、ポケットWiFiが手元にない側は通信手段を失います。

eSIMならそれぞれのスマホに入っているので、別行動でも問題ありません。2人分のeSIMを買っても、ポケットWiFi1台のレンタル料金と同程度か、プランによっては安くなります。

筆者の一人旅スタイルは、渡航先に合わせてeSIMを購入し、飛行機を降りたらアプリで有効化するだけです。入国審査の列に並んでいる間にもう通信が使えているので、空港からホテルへの移動もスムーズです。

家族旅行(3〜4人以上):ポケットWiFiの出番

ポケットWiFiが本領を発揮するのは、家族旅行です。

子どもがeSIM非対応のスマホを持っている場合や、祖父母世代がeSIMの設定に不慣れな場合、ポケットWiFi1台を持ち歩いて家族全員で共有するほうが現実的です。子ども用のタブレットやゲーム機など、WiFi接続しか使えないデバイスにも対応できます。

4人家族で1週間の旅行を想定した場合の費用比較です。

パターン費用の目安備考
eSIM×4人分5,000〜14,000円全員がeSIM対応スマホを持っている前提
ポケットWiFi 1台6,000〜10,000円(補償込み)全員が常に一緒に行動する前提
eSIM×大人2人 + ポケットWiFi 1台5,000〜12,000円大人は別行動OK、子どもはWiFiで対応

3番目のハイブリッド運用は、コストと柔軟性のバランスが良いです。大人はeSIMで自由に動き、子どもやタブレット用にポケットWiFiを1台。筆者の周りでもこの組み合わせを採用している家族は増えています。

ポケットWiFi利用時の注意点として、以下を事前に決めておくと旅行中のストレスが減ります。

  • バッテリー管理は誰がやるか
  • 別行動の予定がある日はどうするか
  • 返却の担当者と返却場所の確認

家族旅行でポケットWiFiを選ぶなら、グローバルWiFiが空港カウンターの多さと対応国数で安心です。主要空港での受取・返却に対応しており、補償プランも充実しています。

出張・ビジネス:eSIMが有利(ただしPC作業メインなら例外)

出張では、eSIMの「持ち歩く必要がない」「返却がない」メリットが活きます。日程変更が入っても、アプリでプランを追加購入するだけで対応できます。

ただし、カフェやコワーキングスペースでPC作業がメインの方は、前述の通りポケットWiFiも検討の余地があります。1日6〜8時間PCで作業するなら、テザリングのバッテリー消耗は無視できません。

現地のカフェWiFiやコワーキングスペースのWiFiを使う手もありますが、セキュリティ面では自前の回線(eSIMまたはポケットWiFi)のほうが安全です。詳しくはフリーWiFiのセキュリティリスクを参考にしてください。

長期滞在(1か月以上):現地SIMも選択肢に

1か月を超える長期滞在の場合、eSIMやポケットWiFiよりも現地SIMを購入したほうが安くなるケースが多いです。

たとえばタイでは、空港でツーリストSIMが300バーツ(約1,200円)前後で購入でき、30日間のデータ通信が付いてきます。eSIMの1か月プランが3,000〜5,000円程度であることを考えると、費用差は大きいです。

ただし、現地SIMの購入にはパスポートの提示が必要な国がほとんどで、英語やタイ語でのやりとりが発生することもあります。この手間を避けたいならeSIM、通信費を最小限に抑えたいなら現地SIM、という判断になります。

セキュリティの視点:eSIMの隠れた利点

見落とされがちですが、eSIMにはセキュリティ面の利点もあります。

ポケットWiFiは仕組み上、端末とスマホの間をWiFiで接続します。つまり、カフェや空港で自分のポケットWiFiに接続しているつもりが、同じSSID名を設定した偽のアクセスポイントに接続してしまうリスクがゼロとは言えません。ポケットWiFiのSSIDは端末の裏面にシールで貼ってあることが多く、近くにいる人に見られる可能性もあります。

eSIMはスマホがキャリアの基地局と直接通信するため、このリスクがありません。自分専用の回線なので、他人に通信を傍受される心配もほぼゼロです。

とはいえ、旅行中にホテルやカフェのフリーWiFiを使う場面もあるでしょう。そういうときはVPNを併用してください。eSIMで安全な回線を確保しつつ、フリーWiFiを使わざるを得ない場面ではVPNで通信を暗号化する。この組み合わせが、海外旅行の通信セキュリティとしてはベストです。VPNの選び方についてはVPN比較記事でまとめています。

eSIM対応スマホの確認方法

「自分のスマホがeSIMに対応しているか分からない」という方は、以下の方法で確認できます。

iPhoneの場合:iPhone XS / XR(2018年発売)以降のモデルはすべてeSIM対応です。「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」という項目があれば対応しています。

Androidの場合:メーカー・機種によって対応状況が異なります。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMのダウンロード」または「eSIMを追加」があれば対応しています。Google Pixel 3a以降、Samsung Galaxy S20以降など、2020年以降の主要機種はほぼ対応済みです。

非対応の場合は、ポケットWiFiか現地SIMが選択肢になります。

eSIMに乗り換えるなら、まずは各サービスの料金・速度・対応エリアをチェック。実測データをもとに比較しています。eSIM主要サービスの比較はこちら

まとめ:正解は旅行のスタイルで変わる

eSIMとポケットWiFi、どちらが「正解」かは旅行のスタイル次第です。

eSIMが向いている人:

  • 一人旅・カップル旅行
  • 荷物を減らしたい
  • 管理の手間を最小限にしたい
  • eSIM対応スマホを持っている

ポケットWiFiが向いている人:

  • 家族旅行で複数人とデータをシェアしたい
  • PC作業が長時間に及ぶ
  • eSIM非対応のデバイスを使いたい
  • スマホの設定を触るのが不安

両方使うのが合理的な人:

  • 大人はeSIM + 子ども用にポケットWiFi
  • eSIMをメインにしつつ、PC作業の日だけポケットWiFiを追加

筆者個人はeSIMに完全移行して2年になりますが、ポケットWiFiが「悪い選択肢」だったとは思いません。当時はそれがベストでしたし、今でもポケットWiFiのほうが合理的な場面はあります。

自分の旅行スタイルに合った通信手段を選んでください。eSIMが気になる方はeSIM比較記事で主要サービスの料金・速度・対応エリアを比較しています。日本語で完結するeSIMならGlocal eSIMtrifaが安心です。ポケットWiFiを選ぶ方はグローバルWiFiが対応国数・受取拠点の多さで手堅い選択肢です。

よくある質問

eSIMとポケットWiFi、結局どっちがいい?
一人旅や出張ならeSIMが便利です。荷物なし、充電不要、紛失リスクゼロ。一方、家族旅行で4人以上がデータをシェアしたい場合や、PC作業がメインの場合はポケットWiFiのほうが合理的です。
ポケットWiFiのメリットは?
複数人でデータをシェアできる点と、eSIM非対応のスマホでも使える点です。また、PC作業が長時間に及ぶ場合、テザリングでスマホのバッテリーを消費するよりポケットWiFiのほうが安定します。
eSIMのデメリットは?
eSIM非対応のスマホでは使えないこと、複数人でのシェアには向かないことです。また、設定に不安がある方は最初だけ少し戸惑うかもしれません。
ポケットWiFiの返却を忘れたらどうなる?
延滞料金が発生します。1日あたり数百円〜千円程度の追加料金がかかるのが一般的です。空港返却を忘れて宅配で送り返す場合は送料も自己負担になります。

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