楽天カードは海外旅行で使える?手数料・保険・注意点をまとめた
楽天カードは国内で最も発行枚数が多いクレジットカードのひとつです。年会費無料で還元率1%、楽天市場でのポイント倍率アップなど、日常使いの強さは広く知られています。
では、この楽天カードを海外旅行に持っていく場合はどうか。使えるのか、手数料はいくらか、保険はどうなっているのか。筆者が32か国の渡航経験をもとに、楽天カードの海外利用を率直に評価します。
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先に結論:サブカードとしては優秀。ただしメインには向かない
結論から書きます。楽天カードは海外旅行のメインカードとしては不十分です。
理由は、海外旅行保険が利用付帯であること。旅行代金を楽天カードで支払わないと保険が有効にならないため、「財布に入れて出国すれば保険がつく」という安心感がありません。保険の自動付帯を重視するなら、エポスカードのほうが適しています。
一方で、年会費無料で還元率1%というスペックは、海外での決済用カードとしては十分に魅力的です。保険用のカードと決済用のカードを分けて持つ戦略であれば、楽天カードは決済用として力を発揮します。
年会費無料の海外旅行向けカードを幅広く比較したい方は、海外旅行クレジットカードおすすめ5枚もあわせてご覧ください。
楽天カードの基本スペック
海外利用に関わるスペックを整理します。
- 年会費:永年無料
- 国際ブランド:Visa / Mastercard / JCB / AMEX(申込時に選択)
- ポイント還元率:1.0%(100円につき1ポイント)
- 海外事務手数料:1.63%(Visa・Mastercard)、2.20%(JCB・AMEX)
- タッチ決済:Visa・Mastercardタッチ決済対応
- 海外旅行傷害保険:利用付帯
- 海外ATMキャッシング:対応
年会費無料で還元率1%という基本スペックは、年会費無料カードの中ではトップクラスの水準です。
国際ブランドの選択が海外利用の明暗を分ける
楽天カードは4つの国際ブランドから選べますが、海外旅行用途ではVisaかMastercardの二択です。
JCBは日本発の国際ブランドですが、海外での加盟店数はVisaやMastercardに遠く及びません。ハワイ、韓国、台湾といった日本人観光客の多いエリアでは使える店もありますが、ヨーロッパや南米、アフリカではほぼ使えないと思ったほうが現実的です。
AMEXも同様に、海外では加盟店の少なさがネックになります。加えてAMEXブランドは海外事務手数料が2.20%と、VisaやMastercardの1.63%に比べて割高です。
筆者の経験では、Visaが最も汎用性が高いブランドです。ただし、すでにVisaブランドのカードを持っている場合は、リスク分散としてMastercardを選ぶという考え方もあります。VisaとMastercardの海外加盟店カバー率に大きな差はなく、どちらを選んでも海外利用で困ることはまずありません。
海外での為替手数料:VisaとMastercardで微妙に異なる仕組み
海外でカード決済をすると、国際ブランドの為替レートに加えて海外事務手数料が上乗せされます。
楽天カードのVisa・Mastercardブランドの手数料は1.63%です。これはエポスカードの詳しいレビューで触れているエポスカードと同率で、年会費無料カードの中では標準的な水準にあたります。
JCBとAMEXブランドの場合は2.20%まで上がります。仮に10万円分を海外で利用した場合、Visaなら1,630円、JCBなら2,200円の手数料差になります。年間で複数回の海外旅行をする方にとっては、ブランド選びだけで数千円の差が生まれる計算です。
もうひとつ知っておきたいのは、VisaとMastercardでは基準となる為替レートの算出方法が異なる点です。Visaは自社の為替レート(Visa Exchange Rate)を使い、MastercardもMastercard Currency Converterという独自レートを採用しています。どちらが有利かは通貨や時期によって変動するため、一概には言えません。ただし、その差は0.1〜0.3%程度であることがほとんどで、実用上は気にしなくて大丈夫です。
注意すべきは、海外の店舗で「日本円で決済しますか?」と聞かれるDCC(Dynamic Currency Conversion)です。これに応じると、店舗側が独自に設定した割高な為替レートが適用され、3〜8%の上乗せになるケースがあります。海外で楽天カードを使うときは、必ず現地通貨建てで決済してください。
海外旅行保険の詳細:利用付帯の条件と補償額の内訳
楽天カードの海外旅行傷害保険は利用付帯です。ここが最大の注意点になります。
「利用付帯」とは、日本を出国する以前に、募集型企画旅行の料金を楽天カードで支払った場合にのみ保険が適用される仕組みです。つまり、航空券やパッケージツアーの代金を楽天カードで決済しなければ、保険は一切有効になりません。
具体的にどんな支払いが「利用付帯の条件」を満たすのか、整理しておきます。
条件を満たす支払い:
- 航空券の購入代金(国際線・国内線どちらも対象)
- パッケージツアー(募集型企画旅行)の代金
- 空港までの公共交通機関の運賃(電車・バス・タクシー)
条件を満たさない支払い:
- ホテルの宿泊費のみの支払い
- 海外での飲食・ショッピング
- レンタカー代金
- マイル特典航空券(カード決済が発生していないため)
補償内容は以下のとおりです。
- 傷害死亡・後遺障害:最高2,000万円
- 傷害治療費用:200万円
- 疾病治療費用:200万円
- 賠償責任:3,000万円
- 救援者費用:200万円
- 携行品損害:20万円(自己負担額3,000円)
数字だけ見れば年会費無料カードとしては悪くない水準です。傷害治療・疾病治療ともに200万円あれば、軽度の通院や短期入院であれば対応可能な場合が多いです。
ただし、携行品損害には1事故あたり3,000円の自己負担額がある点は見落としがちです。また、保険期間は出国日から90日間で、長期滞在には対応しきれません。
エポスカードの自動付帯と比較すると、利用付帯の不便さは否めません。航空券をマイル特典航空券で取得した場合や、旅行代金を別のカードで支払った場合には保険が適用されない。この「うっかり保険が無効だった」というリスクは、旅慣れた人ほど軽視しがちです。
クレジットカード付帯の海外旅行保険だけで足りるかどうかは、クレジットカード付帯保険の検証記事で詳しく書いています。
海外キャッシングの手順とATM操作の流れ
楽天カードは海外ATMでの現地通貨キャッシングに対応しています。Visa・Mastercardブランドであれば、Visa/Mastercard/PLUSマークの付いたATMで利用可能です。海外ATMキャッシングの詳細も別記事にまとめていますが、ここでは楽天カードでの基本手順を紹介します。
海外ATMでのキャッシング手順:
- ATMにカードを挿入する(またはタッチ決済対応ATMならかざす)
- 言語選択画面が出たら「English」を選択する(日本語対応ATMは少ないため)
- PINコード(暗証番号4桁)を入力する
- 取引の種類で「Withdrawal(引き出し)」を選択する
- 口座の種類を聞かれたら「Credit」を選択する(SavingsやCheckingではない)
- 引き出し金額を現地通貨で入力する
- 「日本円に換算して表示しますか?」と聞かれたら「Without Conversion」を選択する(DCCを回避するため)
- 現金とカード、明細票を受け取る
口座選択の画面で「Savings」や「Checking」を選ぶとエラーになることがあります。クレジットカードのキャッシングでは必ず「Credit」を選んでください。
楽天カードの海外キャッシングの金利は年率18.0%です。仮に5万円をキャッシングして30日後に返済した場合、利息は約740円になります。繰上返済を使えば利用日から数日〜1週間程度で返済できるため、利息を100〜300円程度に抑えることも可能です。繰上返済は楽天e-NAVIからの手続きか、楽天カードコンタクトセンターへの電話で受け付けています。
両替所での現金両替と比べると、キャッシングのほうが有利なケースが多いです。空港の両替所は3〜10%程度の手数料を取ることも珍しくなく、キャッシングの利息数百円のほうが安く済みます。
タッチ決済は問題なく使える
楽天カードのVisa・Mastercardブランドはタッチ決済に対応しています。
海外ではタッチ決済の普及が日本よりも進んでいます。ヨーロッパではスーパーマーケットから公共交通機関まで、カードをかざすだけで支払いが完了する場面がほとんどです。東南アジアでもコンビニやチェーン店を中心にタッチ決済端末の導入が進んでいます。
JCBブランドの場合はJCBコンタクトレスに対応していますが、海外でJCBのコンタクトレス対応端末に出会う確率はかなり低いのが実情です。
還元率1%は海外でも変わらない
楽天カードの還元率は国内・海外を問わず1%です。100円の利用につき1楽天ポイントが貯まります。
この1%という還元率は、年会費無料カードの中では高水準です。エポスカードの0.5%と比較すると2倍の差があります。仮に2週間の海外旅行で15万円をカード決済した場合、楽天カードなら1,500ポイント、エポスカードなら750ポイント。750ポイントの差は小さく見えますが、年に数回の旅行を重ねれば無視できない金額になります。
貯まった楽天ポイントは楽天市場での買い物はもちろん、楽天ペイを通じてコンビニやドラッグストアでも使えます。ポイントの使い道に困らないという点は、楽天経済圏の大きな強みです。
楽天ポイントの海外旅行での活用法
海外旅行で貯まった楽天ポイントは、次の旅行の費用に充てることができます。特に楽天トラベルとの連携が便利です。
楽天トラベルでは、国内ホテルだけでなく海外ホテルの予約にも楽天ポイントが使えます。1ポイント=1円として宿泊代金に充当できるため、海外旅行で貯めたポイントをそのまま次の旅行に回す循環が成り立ちます。
具体的な活用例を挙げます。年に3回の海外旅行で毎回15万円をカード決済した場合、年間で4,500ポイントが貯まります。4,500円分のポイントがあれば、東南アジアのゲストハウスなら1泊分、楽天トラベルのクーポンと組み合わせれば国内ビジネスホテル1泊分に相当します。
さらに、楽天市場でのスーツケースや旅行グッズの購入にもポイントが使えます。楽天市場ではSPU(スーパーポイントアッププログラム)によって楽天カード利用時のポイント倍率が上がるため、旅行前の買い物で効率よくポイントを貯めて、次の旅行費用に回すというサイクルが生まれます。
ただし、期間限定ポイントは楽天トラベルで使えるものの有効期限が短いため、失効しないよう注意が必要です。
楽天カード vs エポスカード:海外旅行での使い分け
楽天カードとエポスカードは、年会費無料カードの中で海外旅行向けの二大選択肢です。それぞれの特性は明確に異なります。
保険面ではエポスカードが優位です。エポスカードは海外旅行保険が自動付帯で、旅行代金の支払い方法を気にする必要がありません。しかも疾病治療費用が270万円と、楽天カードの200万円を上回ります。
一方、還元率では楽天カードに分があります。楽天カード1%に対してエポスカード0.5%。この差は海外利用の金額が大きくなるほど効いてきます。
項目ごとの比較を整理します。
- 年会費:どちらも無料
- 還元率:楽天カード1.0% / エポスカード0.5%
- 海外事務手数料:どちらも1.63%(Visa同士の比較)
- 海外旅行保険:楽天カードは利用付帯 / エポスカードは自動付帯
- 傷害治療費用:楽天カード200万円 / エポスカード200万円
- 疾病治療費用:楽天カード200万円 / エポスカード270万円
- 空港ラウンジ:どちらもなし(無料カードの場合)
どちらか1枚だけ持つなら、海外旅行の安心感ではエポスカードが上です。保険が自動付帯であるだけで、出発前に「保険の条件を満たしたか」を確認するストレスがなくなります。
ただし、筆者の結論としては両方持つのが正解です。エポスカードを保険用、楽天カードを決済用として使い分ければ、年会費ゼロで保険と還元率の両方を手に入れられます。エポスカードの詳しい性能はエポスカードの詳しいレビューにまとめています。
楽天プレミアムカードとの比較:プライオリティ・パスは必要か
楽天カードには上位カードとして楽天プレミアムカード(年会費11,000円)があります。海外旅行者にとって最大の違いは、プライオリティ・パスが付帯するかどうかです。
プライオリティ・パスは、世界1,400か所以上の空港ラウンジを利用できる会員プログラムです。通常は年会費469米ドル(プレステージ会員)がかかりますが、楽天プレミアムカードを持っていれば追加費用なしでプレステージ会員と同等のサービスが使えます。
では、年会費11,000円を払ってアップグレードすべきかどうか。判断基準は単純です。
年会費の元が取れるかどうかで考えます。プライオリティ・パスのラウンジ利用料は1回あたり35米ドル(約5,000円)前後です。年間で3回以上、乗り継ぎを含む海外渡航がある方なら、年会費11,000円の元は十分に取れます。逆に、年1〜2回の旅行で乗り継ぎもない直行便利用が中心であれば、プレミアムカードにアップグレードする必要性は薄いです。
楽天プレミアムカードのその他の違いとしては、海外旅行保険の補償額がアップする点(傷害治療300万円、疾病治療300万円)と、楽天市場でのポイント倍率がさらに上がる点があります。ただし、保険は引き続き利用付帯である点は無料カードと変わりません。
筆者としては、年に3回以上の海外渡航がない限り、無料の楽天カード+エポスカードの2枚持ちのほうが費用対効果に優れていると考えています。
楽天カードの弱点を正直に書く
海外旅行で楽天カードを使う際の弱点は、保険の利用付帯だけではありません。
空港ラウンジは使えません。年会費無料の楽天カードには空港ラウンジの利用特典がないため、長時間の乗り継ぎ待ちがある場合にはこの点が気になるかもしれません。楽天プレミアムカード(年会費11,000円)であればプライオリティ・パスが付帯しますが、年会費無料の範囲では対象外です。
また、海外からの楽天カスタマーセンターへの連絡手段が限られます。緊急時の対応については、出発前に連絡先を控えておくことを推奨します。
筆者が考える楽天カードの海外運用法
楽天カードを海外で使う場合、筆者なら以下の運用をします。
ブランドはVisaかMastercardを選択。海外事務手数料1.63%で済む上に、加盟店の心配がほぼ不要です。
保険については、楽天カードの利用付帯に頼るのではなく、エポスカードの自動付帯で基本の保険を確保します。その上で、航空券の購入を楽天カードで行えば、楽天カードの保険も上乗せされて補償額が加算されます。
日常の決済は楽天カードをメインに使い、1%の還元をしっかり取りにいく。エポスカードは保険要員として財布に入れておくだけ。この2枚体制であれば、年会費ゼロで保険と還元率の両方をカバーできます。
海外で現金が必要になった場合は、両替所よりもATMキャッシングを使うほうが手数料を抑えられます。キャッシング後は楽天e-NAVIから繰上返済を行えば、利息を最小限に抑えられます。
年会費無料で海外旅行に使えるカードを総合的に比較したい方は、海外旅行クレジットカードおすすめ5枚の記事も参考にしてください。
海外旅行の通信手段も事前に準備を
海外でクレジットカードの利用通知を確認したり、楽天e-NAVIで利用明細をチェックしたりするには、現地でのインターネット接続が必要です。
渡航先での通信手段としては、eSIMが手軽でおすすめです。SIMカードの差し替えが不要で、出発前にスマートフォンにインストールしておけば、現地に着いた瞬間からデータ通信が使えます。
主要なeSIMサービスの料金・対応国・使い勝手を比較した記事を用意しています。初めてeSIMを使う方はeSIM比較の記事をご覧ください。設定手順が不安な方には、eSIMの設定ガイドも参考になるはずです。
まとめ:決済用のサブカードとして持つ価値はある
楽天カードは年会費無料で還元率1%という基本スペックが強く、海外での決済カードとしては費用対効果の高い選択肢です。Visa・Mastercardブランドを選べば、海外事務手数料も1.63%と標準的な水準に収まります。
一方で、海外旅行保険が利用付帯である点は見逃せません。保険の適用条件を忘れていて、いざというときに補償が受けられないリスクがあります。保険を重視するなら、自動付帯のエポスカードをあわせて持つのが現実的な対策です。
楽天カード1枚で海外旅行のすべてをまかなうのは難しい。しかし、エポスカードとの2枚持ちで弱点を補えば、年会費ゼロのまま保険・還元率・決済手段のすべてをカバーできます。筆者はこの2枚体制を、年会費無料で組める海外旅行カードの最適解のひとつだと考えています。
なお、海外のカフェやホテルのフリーWiFiでカード利用明細を確認する場面もあるかと思います。フリーWiFiでは通信が暗号化されていないケースがあるため、VPNを導入しておくとセキュリティ面で安心です。
よくある質問
楽天カードの海外旅行保険は持っているだけで適用される?
楽天カードの海外事務手数料はいくら?
楽天カードのJCBブランドは海外で使える?
楽天カードとエポスカード、海外旅行にはどちらがよい?
楽天カードで海外キャッシングはできる?
楽天カードの海外キャッシングの金利はいくら?
楽天カードのVisaとMastercard、海外ではどちらが有利?
楽天プレミアムカードのプライオリティ・パスは必要?
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